2019-01-21

2018年映画ベスト10

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 映画秘宝2019年3月号が発売になりましたんで、2018年の映画ベストを転載させていただきます。

1 『犬ヶ島』(2018 ウェス・アンダーソン)
2 『ブリグズビー・ベア』(2017 デイヴ・マッケイ)
3 『パディントン2』(2017 ポール・キング)
4 『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017 ギジェルモ・デル=トロ)
5 『覗かれる人妻 シュレーディンガーの女』(2018 城定秀夫)
6 『Dimension』(1991-7 ラース・フォン・トリアー)
7 『快楽の漸進的横滑り』(1974 アラン・ロブ=グリエ)
8 『レディ・プレイヤー・ワン』(2018 スティーブン・スピルバーグ)
9 『ボトロップの120日』(1997 クリストフ・シュリンゲンジーフ)
10『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』(2018 パノス・コスマトス)

 去年は城定監督で何を選ぶかというのが頭のひねりどころだったかと思いますが、ここはあえて『恋の豚』をはずしてこれ。狙いすぎですね。トホホ、コメントその他は本誌をどうぞ。なぜこれが一位なのかという話も含め、冒頭で町山と対談しております。対談の中で高橋洋さんの名前を出してしまってますが、これぼくの勝手な思い込みですんで、高橋洋さん(本人)にはなんの関係もありません。お詫びして、すべての責任はわたくしにあることを言明しておきます。

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2018-10-31

BBC非英語映画ベスト100

BBC Cultureが非英語映画ベスト100というたいへんアバウトなランキングをやるということで、投票させていただきました。正直、わたくしのようなものが投票していいのでしょうか、という感じなんですが、いつまでも長老ばかりじゃアレじゃないの、という某氏の紹介で投票させていただくことになりました。実際の投票も探していただければサイトのどこかにあがってますが、これ、真剣に考えたのはベスト5までで、それ以下の5本は世界的傑作(個人的には100本くらいはすぐに上がる)の中かその日の気分で選んだだけで、それほど決定的なものではありません。個人的にはここにはどうしても『燃えよドラゴン』(1973 ロバート・クローズ)を入れたかったのですが、BBCから「それは英語映画だ」との指摘を受けまして、泣く泣く「じゃあ『ドラゴンへの道』で」ということにしましたが、しかしここに本当に入るべきは『燃えよドラゴン』なのだ、ということはみなさんご理解いただきたく、ブルース・リーとゴジラだけは非英語圏の映画として真に歴史的存在であると記録に残しておきたいのです。

なお、ぼくが一位に推した映画について「英語で紹介書け」と言われたので恥ずかしながら英語の紹介文を書きました。ご笑納くださいませ。総合ランキング一位は『七人の侍』なんですが、これは「日本人映画評論家は誰も投票しなかった」とBBCに指摘されております。蓮實重彦の呪縛なお強し。もちろんぼくも黒澤には入れてません!

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2018-01-20

2017年ベスト10

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 2017年度のベスト10を発表する〈映画秘宝〉2018年3月号が発売になりました。例によって今年もベスト10を投票しておりますので、ここでも発表させていただきます。

1『アウトワン ノリ・ミ・タングレ』(1971 ジャック・リヴェット)
2『バーフバリ 伝説誕生』『王の凱旋』(2015-17S・S・ラージャマウリ)
3『T2 トレインスポッティング』(2017 ダニー・ボイル)
4『まんが島』(2017 守屋文雄)
5『エンドレス・ポエトリー』(2016 アレハンドロ・ホドロフスキー)
6『バンコクナイツ』(2016 富田克也)
7『ベイルート、もう二度と』(1976 ジョスリーン・サーブ)
8『予兆 散歩する侵略者』(2017 黒沢清)
9『花筐』(2017 大林宣彦)
10 『レゴ・バットマン・ザ・ムービー』(2017 クリス・マッケイ)

コメント、トホホ等は本誌のほうを。本誌のほうでは恒例となった講評対談を町山とやっておりますのでそちらも合わせて。

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2017-02-24

2017年オスカー予想@TVbros

現在発売中のTV Bros 2017年2/25日号で、渡辺麻紀さんと恒例になりましたアカデミー賞予想対談をやっています。てかまあ予想の意味はほとんどないんで、ぼくが『ラ・ラ・ランド』をひたすらけなしてるだけの対談なんですけどね! 以下予想(◎)と、ぼくがいちばん優れていると思う作品(×)とを書いておきますね

作品賞
「メッセージ」
Fences
×Hacksaw Ridge
「最後の追跡」
Hidden Figures
◎「ラ・ラ・ランド」
「LION/ライオン~25年目のただいま~」
「マンチェスター・バイ・ザ・シー」
「ムーンライト」

監督賞
ドゥニ・ヴィルヌーヴ(「メッセージ」)
×メル・ギブソン(Hacksaw Ridge)
◎デイミアン・チャゼル(「ラ・ラ・ランド」)
ケネス・ロナーガン(「マンチェスター・バイ・ザ・シー」)
バリー・ジェンキンズ(「ムーンライト」)
トム・フォード(Nocturnal Animals)

主演男優賞
ケイシー・アフレック(「マンチェスター・バイ・ザ・シー」)
アンドリュー・ガーフィールド(Hacksaw Ridge)
◎ライアン・ゴズリング(「ラ・ラ・ランド」)
×ヴィゴ・モーテンセン(「はじまりへの旅」)
デンゼル・ワシントン(Fences)

主演女優賞
×イザベル・ユペール(Elle)
ルース・ネッガ(「ラビング 愛という名前のふたり」)
ナタリー・ポートマン(「ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命」)
◎エマ・ストーン(「ラ・ラ・ランド」)
メリル・ストリープ(「マダム・フローレンス!夢見るふたり」)

助演男優賞
マハーシャラ・アリ(「ムーンライト」)
◎×ジェフ・ブリッジス(「最後の追跡」)(老人枠)
ルーカス・ヘッジズ(「マンチェスター・バイ・ザ・シー」)
デヴ・パテル(「LION/ライオン~25年目のただいま~」)
マイケル・シャノン(Nocturnal Animals)

助演女優賞
◎ヴィオラ・デイヴィス(Fences)
ナオミ・ハリス(「ムーンライト」)
ニコール・キッドマン(「LION/ライオン~25年目のただいま~」)
オクタヴィア・スペンサー(Hidden Figures)
ミシェル・ウィリアムズ(「マンチェスター・バイ・ザ・シー」)

 そういうわけで、メル・ギブスンは人間はクズかもしれないが映画は素晴らしいという結論です。あと今年のなんでノミネートされたんだろう枠は『LION/ライオン~25年目のただいま~』でした!

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2017-01-21

2016年映画ベスト10

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映画秘宝2017年3月号が発売になりました。ベスト10が発表になったので、ぼくの投票も転載します(実は年末のイベントでも発表していました)。

1『悦楽交差点』(15 城定秀夫)
2『スティーヴ・ジョブズ』(15 ダニー・ボイル)
3『ふにゃちん哀愁』(16 バクシーシ山下)
4『サファリ』(16 ウルリヒ・ザイドル)
5『ディストラクション・ベイビーズ』(16 真利子哲也)
6『太平洋の地獄 サイパン水着ギャルの戦争』(91 高槻彰、平野勝之)
7『SHARING』(16 篠崎誠)
8『デッドプール』(16 ティム・ミラー)
9『ダゲレオタイプの女』(16 黒沢清)
10『ドロメ 女子篇』(16 内藤瑛亮)

コメント、トホホその他は本誌を参照して欲しいですが、やはりふにゃちんの衝撃がなああ。バクシーシ山下はやはりヤバいです。

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2016-06-04

皆殺し映画通信 冥府魔道

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  ブログ『皆殺し映画通信』の書籍化シリーズ第三弾、2015年のダメ邦画をまとめた『皆殺し映画通信 冥府魔道』が発売になります。ずいぶん時間がかかってしまって、おまたせして申し訳ありません。今回はモルモット吉田さんをお迎えして総括対談などやっております。

なお、来る6/23(木)に渋谷のHMV&BOOKS TOKYOにて発売記念イベントも予定しております。お相手は篠崎真紀さんにおねがいしました。

【日時】2016年6月23日(木) 開場19:00 イベント開始19:30 【会場】HMV & BOOKS TOKYO 6Fイベントスペース 【内容】 シリーズ三作目となる、映画評論家・柳下毅一郎さんの毒舌邦画レビュー本『皆殺し映画通信 冥府魔道』の発売を記念してトークイベント&サイン会を開催します。 ゲストには、イラストレーター・ライターとして活躍されている篠崎真紀さんが登壇。 2015年公開作品を中心に、最新の邦画もメッタ斬り!柳下毅一郎氏が日本映画をメッタ斬り!  ここでしか聞けない、タブーなき映画トークは必見です!

【参加方法】
6/11発売の新刊『皆殺し映画通信 冥府魔道』(KANZEN)、
若しくは「皆殺し映画通信」シリーズ既刊2点、
いずれかをお買い上げの方に先着で参加整理券を差し上げます。
※整理券は6Fレジカウンターにてお買い上げ時にお渡しいたします。
※電話でのご予約・お取り置きも承ります。

【対象書籍】
『皆殺し映画通信 冥府魔道』(6/11発売)
『皆殺し映画通信 天下御免』
『皆殺し映画通信』
(以上すべてKANZEN)

詳細はこちら

ということなんで、書籍をお求めの予定のかたはこちらでご購入いただけますと……みなさまふるってご参加ください。

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2016-02-14

第88回アカデミー賞

 2/24発売のTV bros. 2/27日号で渡辺麻紀さんと恒例アカデミー賞予想対談をやっています。なのでここでその予想を書いておきます。

▽作品賞
 「マネー・ショート 華麗なる大逆転」
 「ブリッジ・オブ・スパイ」
 「ブルックリン」
 「マッドマックス 怒りのデス・ロード」
 「オデッセイ」
◎「レヴェナント 蘇えりし者」
 「ルーム」
 「スポットライト 世紀のスクープ」

▽監督賞
 アダム・マッケイ「マネー・ショート 華麗なる大逆転」
◎ジョージ・ミラー「マッドマックス 怒りのデス・ロード」
 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ「レヴェナント 蘇えりし者」
 レニー・アブラハムソン「ルーム」
 トム・マッカーシー「スポットライト 世紀のスクープ」

▽主演男優賞
 ブライアン・クランストン「Trumbo」
◎レオナルド・ディカプリオ「レヴェナント 蘇えりし者」
 マイケル・ファスベンダー「スティーブ・ジョブズ」
 エディ・レッドメイン「リリーのすべて」(難病枠)
 マット・デイモン「オデッセイ」

▽助演男優賞
 マーク・ライランス「ブリッジ・オブ・スパイ」(老人枠)
◎シルベスター・スタローン「クリード チャンプを継ぐ男」(老人枠)
 クリスチャン・ベール「マネー・ショート 華麗なる大逆転」
 マーク・ラファロ「スポットライト 世紀のスクープ」
 トム・ハーディ「レヴェナント 蘇えりし者」

▽主演女優賞
 ケイト・ブランシェット「キャロル」
 ジェニファー・ローレンス「Joy」
 シャーロット・ランプリング「さざなみ」(老人枠)
◎ブリー・ラーソン「ルーム」
 シアーシャ・ローナン「ブルックリン」

▽助演女優賞
◎ルーニー・マーラ「キャロル」
 レイチェル・マクアダムス「スポットライト 世紀のスクープ」
 ジェニファー・ジェイソン・リー「ヘイトフル・エイト」
 アリシア・ビカンダー「リリーのすべて」
 ケイト・ウィンスレット「スティーブ・ジョブズ」


 以上、去年の反省として思いっきり凡庸な予想にしてみました。アカデミー賞では難しいことを考えてはいけない。老人または難病が取る! これです。あと、作品賞候補全作見ての感想は、「スパイク・リーは正しかった!」ですね。普段は「スパイク、おまえもうちょっと口閉じとけばよ……」と思うことが多いわけですが、今年ばかりは「スパイクの言うとおり」と思わずにいられない。それくらい「なんでこれが……」と思わされるような候補作がいくつかありました。これがアメリカ映画の最良の果実なんだとしたら、アメリカ映画も日本映画も変わらん!と言いたくなるようなのが。まあどれが、とはいいませんが。

 あ、もちろん以上は予想であって、優れた映画はまた別の話。今年がこんな結果になったのは『ウルフ・オブ・ウォールストリート』に賞をやらなかったからだ!とぼくは思っています。評価すべき映画はちゃんと評価しとかないと後々まで悪影響を与えるから気をつけましょうね。しかしなんで『スティーブ・ジョブズ』が脚色賞にノミネートされなかったのか、これだけはいくら考えてもわかりません……

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2015-01-21

2014年映画ベスト

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映画秘宝2015年3月号が発売になりました。ぼくの選ぶ2014年ベスト投票を転載しておきます。


1 本宮映劇イベント@十条シネカフェ・ソト
2 『死ぬほどセックスしてみたかった』(94-14 バクシーシ山下)
3 『コングレス』(13 アリ・フォルマン)
4 『リアリティのダンス』(13 アレハンドロ・ホドロフスキー)
5 『野のなななのか』(14 大林宣彦)
6 Nymphomaniac extended director's cut vol1&2 (14 ラース・フォン・トリアー)
7 『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(13 マーティン・スコセッシ)
8 『収容病棟』(13 王兵)
9 『パズル』(14 内藤瑛亮)
10『劇場版テレクラキャノンボール2013』(14 カンパニー松尾)

例年にましてわけのわからないランキングになってますが、十条シネカフェの「場末のシネマ・パラダイス」がいかにすごいイベントだったかについてはコメントで延々書きましたんで、ぜひ本誌をお読みください。あと、『ニンフォマニアック』はディレクターズ・カットを!これ全然中身違うんで……という話は町山との対談で少しだけ話しています。

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2014-07-08

B-Movie (Ballardian Video Neuronica)

元ウルトラヴォックスのジョン・フォックスはパンク/NW界に多いJ・G・バラード信者の中でもとびきりのバラード・マニアとして知られているが(名盤Metamaticは『クラッシュ』に捧げられている)、2012年にブライトンのCine-City Festivalにバラードへのトリビュート作品で参加している。アーティストのKarbornと組んで、ビデオ作品B-Movie (Ballardian Video Neuronica) を発表したのだ。作品自体はヒッチコックから原爆実験、自動車事故、水のないプール、ヌード映画、ザプルーダー・フィルムまで--要するにバラード的なる映像のすべてをコラージュしたものである。さよなら20世紀。ジョン・フォックスのサントラが彼のサイトで発売されているのだが、曲目からしてバラード愛にあふれておりたまらない。2015年発売予定の新譜の曲も一曲聴ける。

ビデオの冒頭にThis author is beyond psychiatric help. Do Not Publish.という字幕が出るが、これはもちろん『クラッシュ』の草稿を読んだ編集者が書いたメモとして有名なアレである。

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2014-05-17

追悼・鈴木則文

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 映画監督・鈴木則文氏がお亡くなりになりました。謹んでお悔やみ申し上げます。思えばぼくが最初に鈴木則文監督にお会いしたのは2004年のことでした。映画秘宝でロングインタビューをさせていただく機会があり、お時間をいただいたのです。その後、金沢で〈エンタテイメントの極意〉として特集上映があるときにご一緒させていただきました。何度かインタビューをさせていただいたり、酒席でご一緒させていただいたりのご縁でした。
 監督ご自身のご意向もあり、残念ながらまとまったインタビューにはならなかったのですが(監督はいつも、「映画は花火なんだから、ぱっと打ち上がって終わるもんだよ」とおっしゃってました。含羞の人でしたから、「作家」として持ち上げられるのがこそばゆかったのでしょう)、折に触れて聞いた話がだいぶたまっていますので、これはいずれなんとかしなければならないと思っています。何よりも、明朗で優しく冗談好きで、誰からも愛された監督の人柄の一端を感じていただきたいからです。
 映画秘宝でインタビューできたのは幸いでした。映画ジャーナリズムに存在意義があるとすれば、それは映画に正当な評価を与えることです。映画秘宝という雑誌に意味があるとすれば、それは鈴木則文を正しく評価することだとぼくは当時思っていて、今もそう思っています。だから、あのインタビューでは緊張したなあ。つい「再評価」とか言ってしまいそうになるのですが、それはジャーナリズムの端っこにいる人間の悪い癖で、鈴木則文はつねに評価されてきたし、つねに愛されてきたのです。そのことにも、おつきあいの中で気づかされるばかりでした。ご冥福をお祈りします。

 インタビューと同時に掲載された鈴木則文論を「皆殺し映画通信」のサイトで再掲させていただきます。中身はともかく、熱だけは今読んでもあるんじゃないかな。


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