「炎と怒り」とスティーヴ・バノン
トランプ政権の暴露本『炎と怒り』を読んだ。
まあトランプはトランプだというのはわかってることなので、中身にそんな驚きがあるわけじゃない(トランプ政権にはスピーチライターがいない、というのはさすがにびっくりだが)。著者はちょっとトランプ的世界に浸りすぎてるようで、かなり粗雑に「メディア」とひとくくりにして語っていたりする。ぼくが興味があるのはバノンのほうなんで、その意味ではこの本はぴったり、というのも著者マイケル・ウォルフの主要リーク源がどうやらバノンであるからだ。なので本の中ではバノンはヒーローであり、雄々しくジャーヴァンカと戦ってトランピズムの大義を推し進めようとする。
にもかかわらず、これを読むかぎりバノンはひたすらことが終わった後で冷笑する後出しの警句屋でしかなく、破壊以外のことは何も実現できない壊し屋でしかないのだった。バノンのビジョンにはちょっと興味あったんだけど、結局は黙示的世界観の先には何もないのかなあ。そこらへん、もうちょっと知りたいんで、まだいくつか読書は続けるつもり。
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