霊感刑事の告白
『霊感刑事の告白』 の著者は元宮城県警の警視正までつとめた叩き上げの名刑事である。だが、彼の数々の成果はすべて霊界からのメッセージによるものだった……!という衝撃の一冊。筆者は宮城県気仙沼署の刑事課長に就任したのは昭和53年、45歳のとき。妻子を仙台市内においての単身赴任で、ついに夢だった刑事課長への昇進をはたした。順風満帆。ところが赴任してから二ヶ月ほどして、ラジオから声が聞こえだす。そのうちにテレビや電話機などから次々に呼びかけられるようになるのである。ついに狂ったか……!?
普通に考えたら新たにおった責任の重さと単身赴任による新生活のストレスから幻聴を聞くようになったのかと考えるところである。筆者も悩み、しまいに自殺まで考えるのだがすんでのところで思いとどまり、これはあの世(霊界)からのメッセージだと考えるようになる。なんせ刑事ですからね、殺人事件があれば犠牲者の声を聞いて犯人を探してしまう。間違いようがない。アパートで幼い娘と母親が死んでいた事件では、当然疑いの目は第一発見者である父親に向けられる。だが「死体はなんでも知っている」のである。母親の
「……違います。夫ではありません。私が殺しました、間違いありません」
という声を聞いた筆者は、母親による無理心中だと確信して、事件を解決に導いたのである!
いろんな部分で村崎百郎の文章を思い出してしまったりしてなかなかおもしろかった。なお、あるとき御仏の声として延々と数字が読み上げられるのを聞いた著者は、その意味を訊ね
「すべての人間は固有の番号で一人ひとり登録されている。その番号で生まれてから死ぬまで管理される。今、読み上げられている番号の人は、読み上げられた直後に死ぬことになっている」
と教えられるのである。まさかの霊界マイナンバー制にはちょっとやられたのだった。
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