« 2014年4月 | トップページ | 2014年7月 »

2014-05-29

プロメテア 1

51jmobwfxyl_sl500_aa300_
 小学館集英社プロダクションより、アラン・ムーア/J・H・ウィリアムズIIIの魔術的コミック『プロメテア』第一巻が発売になりました。ムーア渾身の魔法コミックで、アイズナー賞/ハーヴェイ賞も受賞した万人の認める傑作です。いやーまさかこれを出そうという版元があるとは思わなかった。最初に「これやりませんか?」と言われたときには、思わず「え、本気ですか!?」と聞き返してしまった。「小プロだったら『トム・ストロング』とかのほうがいいんじゃないですか?」もちろんぼくはいちばんやりたかったのは『プロメテア』だったので、願ったり叶ったりだったわけですが。思えば『フロム・ヘル』のときもこんな感じだった。願えば天に通じる。いや蛇神グライコンさまに通じたのかもしれない。

 昨今の若者で魔術やってる奴はだいたい『プロメテア』から入った、と言われるような本作。よく「魔術的叙述」とか言いますけど、これは文字通りの「魔法コミック」ですからね。是非ムーア先生の魔法に酔いしれていただきたい。Naked Loftで発売記念イベントもおこなわれますので、是非お運びください。ところで問題はこれ『プロメテア 1』だってことで、ということは当然『2』『3』が…(底本はAbsolute版なので全三巻です)じゃあそれはいつ出るんですか、ということになるんですが、そこらへんはイベントで語られるかもしれない!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014-05-17

追悼・鈴木則文

Img_4363
 映画監督・鈴木則文氏がお亡くなりになりました。謹んでお悔やみ申し上げます。思えばぼくが最初に鈴木則文監督にお会いしたのは2004年のことでした。映画秘宝でロングインタビューをさせていただく機会があり、お時間をいただいたのです。その後、金沢で〈エンタテイメントの極意〉として特集上映があるときにご一緒させていただきました。何度かインタビューをさせていただいたり、酒席でご一緒させていただいたりのご縁でした。
 監督ご自身のご意向もあり、残念ながらまとまったインタビューにはならなかったのですが(監督はいつも、「映画は花火なんだから、ぱっと打ち上がって終わるもんだよ」とおっしゃってました。含羞の人でしたから、「作家」として持ち上げられるのがこそばゆかったのでしょう)、折に触れて聞いた話がだいぶたまっていますので、これはいずれなんとかしなければならないと思っています。何よりも、明朗で優しく冗談好きで、誰からも愛された監督の人柄の一端を感じていただきたいからです。
 映画秘宝でインタビューできたのは幸いでした。映画ジャーナリズムに存在意義があるとすれば、それは映画に正当な評価を与えることです。映画秘宝という雑誌に意味があるとすれば、それは鈴木則文を正しく評価することだとぼくは当時思っていて、今もそう思っています。だから、あのインタビューでは緊張したなあ。つい「再評価」とか言ってしまいそうになるのですが、それはジャーナリズムの端っこにいる人間の悪い癖で、鈴木則文はつねに評価されてきたし、つねに愛されてきたのです。そのことにも、おつきあいの中で気づかされるばかりでした。ご冥福をお祈りします。

 インタビューと同時に掲載された鈴木則文論を「皆殺し映画通信」のサイトで再掲させていただきます。中身はともかく、熱だけは今読んでもあるんじゃないかな。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2014年4月 | トップページ | 2014年7月 »