« Nemo: The Roses of Berlin | トップページ | 追悼・鈴木則文 »

2014-04-24

Fashion Beast

51jazuv4rzl_sl500_aa300_
なんとアラン・ムーア&マルコム・マクラーレン作!というFashion Beastだが、これはなかなかに奇妙な経緯をたどって世に出ることになった。もともとはムーアがマクラーレンに誘われて映画企画に参加、二人の原案でムーアが脚本を書いた。当然のことながらこの企画は頓挫し、脚本もどこかへ消えてしまった。ところが最近になってその脚本が浮上。ムーア自身はほとんど興味をなくしていたのだが、コミックへの脚色は拒まなかった(たぶん税金問題とかそのへん)…というわけでムーアの脚本がアントニー・ジョンソン&ファカンド・ペルシオによるコミカライズとして帰ってきたわけである。本当はムーアの脚本を読みたかったんだけど、これでもまあ、だいぶ感じはつかめる。

舞台はひきこもりの天才ファッション・デザイナー、セレスティーヌが君臨する「館」。誰も姿を見たことのないセレスティーヌは暴君として君臨し、その意志を伝えるのは双子の老婆。フリークだらけのファッションの館に、クラブのクローク係をクビにされた“ドール”が単身乗りこんで…

閉じた話である。登場人物はドールとセレスティーヌ、下働きの少年など片手で数えられるほど。現在ムーアが製作中のJimmy's End Cycleを見ていても思うのだが、ムーアが映画脚本を書くと急に世界が閉じてしまう。コミック脚本のときはむしろ遠心的に広がっていくので、この違いは興味深い。たぶん映画の限界(予算の限界)をわかっているのと、ちゃんとたためない風呂敷は広げないという性格の問題なんだろうな。なお、主人公を「男の子のように見える女の子と、女の子に見える男にしよう」と提案したのはマクラーレンだとのこと。


|

« Nemo: The Roses of Berlin | トップページ | 追悼・鈴木則文 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/198151/59521947

この記事へのトラックバック一覧です: Fashion Beast:

« Nemo: The Roses of Berlin | トップページ | 追悼・鈴木則文 »