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2011-11-28

第2回渡辺文樹映画祭

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12/1(木)~12/7(水)まで、高円寺・油野美術館で開催される〈渡辺文樹映画祭〉にて渡辺監督とお話させていただくことになりました。

12/2(金) 17:00〜

上映予定等は油野美術館のHPを御覧ください この日は12:30から福島原発のジプシー労働をテーマにした『罵詈雑言』、14:00から文樹ポリティカル・アクション路線の口火を切った傑作『腹腹時計』、そしてトークのあと18:00からお待ちかねの新作『金正日』となります。料金についてはよくわからないのですが、たぶん上映を見ていただければ無料なんじゃないかな。

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2011-11-25

アントキノイノチ(2011)

監督:瀬々敬久 出演:岡田将生、榮倉奈々 公式サイト

「“アントキノイノチ”って三回言ってみな」「アントキノイノチアントキノイノチアントニオイノキ……あっ!」「元気ですかーっ! 元気があればなんでもできる!」

いやそれはさておき。『余命一ヶ月の花嫁』のコンビが送る涙のストーリーがどんなのかというと、岡田くんはトラウマまみれで吃音症の元メンヘル患者。いつまでも裸で屋根の上に座ってはいられないので就職することにした。そこが遺品片付け業。はぐれ者ばかりが働く職場なので、黙って突っ立ってるだけの岡田くんでも雇ってもらえる。元気がなくてもなんでもできる! そこで出会ったのが榮倉奈々。実は彼女にもトラウマがあって……

というトラウマまみれのラブストーリー。岡田くんも榮倉奈々も話しはじめる前に思い入れとトラウマたっぷりの間をおくもんで、たいした事件も起こらないくせに話が長くなってかなわん。そもそも岡田くんのトラウマ(親友が目の前で飛び降りた件かと思ったら、そのあとも元気に学校に行っている!)、裸で屋根の上にあがるほどのもんなのか?  あまりに話が何も起こらないんで、てっきり実話かなんかと思ったが、よく考えたらさだまさし原作だった。ということはオチの驚くべきギャグを考えたのもさだまさしなのか?

突然遺品片付け屋をやめ、なぜか老人ホームにつとめはじめた榮倉奈々を追いかけた岡田くんは榮倉奈々に向かって言うのであった。「あのときのいのちが、ぼくらをつないでくれたんだよね。アントキノイノチが」……そこで大爆笑して以降のことは何も覚えていませんが、まわりからなんか冷たい視線が……ギャグだよね、あれ? ギャグだと言ってよ瀬々さん!

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2011-11-22

ジェノサイドの丘〈新装版〉―ルワンダ虐殺の隠された真実

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 フィリップ・ゴーレイヴィッチの『ジェノサイドの丘』の翻訳を出版したのは2003年のこと。9年ぶりに新装版として出直すことになった。旧版が出たのはまだ『ホテル・ルワンダ』も話題になる前で、ルワンダの大虐殺についてもほとんど知られていなかったころである。ほとんど熱意だけで藤田新策さんに表紙イラストを頼みに行ったりしたものだ。一巻本でお求めやすくなったと思いますので、お読みでない方は是非。

 その後独裁色を強めていくカガメへの礼賛など、今読むと違和感を感じる部分もあるけれど、そういうことも含めて読んでいただきたいですね。新装版では豊崎由美さんに帯をいただきました。

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2011-11-14

イメージリングス presents 第3.5回ガンダーラ映画祭

急逝したしまだゆきやすくんを偲ぶイメージリングス上映会に参加します。しまだくんのことを知っている人も知らない人も是非集まってください。

90年代~のインディーズ映画シーンを牽引してきたしまだゆきやす氏率いるイメージリングス関連作品を特別上映!その他秘蔵映像・スチールなどからそのインディーズ映画史に残した大きな功績と影響を検証します!2012年に開催予定のイメージリングス・アーカイブ上映の公開企画会議も開催!しまだが最後に愛した男・梅澤嘉朗(童貞2号/おんなの河童)のイメリン愛に満ちた新作も初上映決定!

2011年11月28日(月)@新宿ロフトプラスワン
OPEN18:30 / START19:30
予約・当日¥1500(共に飲食別)
WEB予約先

出演=村上賢司(映画監督)、柳下毅一郎(映画評論家)、桑原あつし(翻訳家/ライター)、那須千里(映画系文筆家)、直井卓俊(プロデューサー)ほか
進行=多田遠志(ロフト秘宝番、ライター)

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The Inner Man

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 ジョン・バクスターはもともとSF作家で、テッド・カーネル時代のNew Worldsにも寄稿していたらしい。作家としてはいまいち芽が出なかったのだが、その後映画評論家として有名になり、キューブリックやスピルバーグの評伝を書いたりしている。ビブリオフィルとしても有名で、「ある愛書狂の告白」ってビブリオフィル日記も翻訳されている。バクスターはバラードのファンだったので、バラード関係の書物も収集するようになる。その中には『クラッシュ』のオリジナル原稿などもあった。そういうわけで、当然のことながら、バクスターはバラードの評伝を執筆することになったのだ。

 ある意味、これはぼくが読みたかったゴシップ満載の伝記である。バラードの女性関係もすべて暴露されており、ご丁寧にお相手の写真まで載っている。ちなみに名指しされているのはジョン・ブラナーの妻マージョリー、パメラ・ゾリーン、ジュディス・メリルら。エマ・テナントがスラデックとマイケル・ムアコックの恋人だったとか、かなり凄いことがいろいろ書いてある。スラデックとディッシュのニューウェーヴ青春期とか、読んでみたかった。そこらへんのことが書かれた回想録ってないのかなあ。ムアコックには自伝的なものはないのだろうか。

 バラードは性的にはサディストであり、親友といえる存在はムアコックくらいしかいない孤独な人間だったとされる。『クラッシュ』のオリジナル原稿が現在のものより三割ほど長く、ケープの編集者によって削られたとか、なかなか興味深い記述も多い。ただ、全体としてはエピソードの羅列になってしまっている感は強い。最終的に作品の内実にまでは踏み込めていないのではないか。バラードがどんな作家だったか、と問われて「広告代理店出身なんでコピーがうまかった。メディア・スターのベストセラー作家になりたかった」というのはやはり違うと思わざるを得ない。シュルレアリスト作家としてのデビューから内宇宙、濃縮小説時代、そしてテクノロジカル・ランドスケープとバラードの主張は移り変わっていくのだけれど、最終的には実存主義作家としての位置に落ち着くのではないか。そんなことを考えさせられる本だった。

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2011-11-11

wired.jp

WIRED JAPANの第二号、『サッカーの敵』のサイモン・クーパー「データ革命が欧州サッカーを野球化する」という記事の翻訳監修を担当しました。クーパーがフットボールにおける“マネー・ボール”革命についてルポする大変興味深い記事です。サッカー・ファンはぜひご一読を。ちなみにWIRED.jpのfacebookページから第一号(新創刊号)のpdfが無料でダウンロードできるそうです。併せてどうぞ!

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