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2011-06-27

クロード・シャブロル追悼上映会 『悪意の眼』

 渋谷ユーロスペース、日仏学院で開催中のクロード・シャブロル特集の関連企画といたしまして、横浜日仏学院シネクラブ主催でおこなわれるシャブロル監督『悪意の眼』上映にあたって話をさせていただくことになりました。おまえがシャブロルの何を知っているのか?と詰問されそうですが大丈夫でしょうか。お相手は大寺眞輔さんです。

横浜日仏学院シネクラブ クロード・シャブロル追悼上映会 『悪意の眼』
7/9(土) 18:00~
『悪意の眼』(上映終了後にトーク)
会員:600円 一般:1,200円 芸大生:無料(要予約)
会場:東京藝術大学 (横浜・馬車道校舎)大視聴覚室

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2011-06-22

三省堂SFフォーラム~ダールグレンの謎を解く

 国書刊行会よりつ!い!に!発行されましたサミュエル・ディレイニーの幻の超大作『ダールグレン』発刊を記念しまして三省堂神田本店にてトークショーを催します。題して〈『ダールグレン』の謎を解く〉 お相手はbmr編集長の丸屋九兵衛さん。ディレイニーばりにかっちょいい方とお話しすることになってしまいましたが、はたして本当に謎は解けるのか? みなさん、がんばって読了して、トークショーにおいでください!


三省堂SFフォーラム

【日時】
 2011年7月30日(土) 開場:17:30〜 開演:18:00〜
 
【会場】
 三省堂書店神保町本店 8階特設会場
 ※8階特設会場へは、正面入口(靖国通り)側エレベーターにてご来場ください。

只今、6月22日発売予定の『ダールグレン』(国書刊行会)1・2巻どちらかを当店でお買い上げまたは電話にてご予約のお客様、先着50名様に1階レジカウンターにて整理券を配布しております。


【お問い合わせ】
 三省堂書店神保町本店 1階 03-3233-3312(代) 10: 00〜20:00

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2011-06-18

由美香night

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平野勝之監督作品『監督失格』公開に向け、故林由美香嬢の七回忌を期しておこなわれるオールナイト上映〈由美香night〉に出演させていただくことになりました。当日は庵野秀明、井口昇とともにトークさせていただきます。

6/25(土) 22:30~ TOHOシネマズ六本木ヒルズ スクリーン7 \3000

【上映作品】
『たまもの』 2004年 R18+ 
監督・脚本 : いまおかしんじ 撮影 : 鈴木一博 
出演:林由美香、吉岡睦雄、華沢レモン、佐藤宏
カラー|35mm|64分 
製作 : 国映株式会社

『誕生日』 1993年 R18+ 
監督:幡寿一(佐藤寿保) 脚本 : 五代響子 撮影 : 稲吉雅志 
出演 : 林由美香、今泉浩一、伊藤清美、石原ゆり
カラー|35mm|54分 
製作 : 国映株式会社

『日曜日は終わらない』 1999年
監督 : 高橋陽一郎 脚本 : 岩松了
出演 : 水橋研二、林由美香、塚本晋也、りりィ
カラー|35mm|90分 
製作 : NHKエンタープライズ

『由美香』 1997年 R15+
監督・撮影・編集 : 平野勝之 V&Rプランニング=安岡FILMS 
出演 : 林由美香、バクシーシ山下、カンパニー松尾、ひらのハニー、由美香のママ
カラー|DV|138分
製作 : V&Rプランニング

林由美香の代表作としてどこに出しても恥ずかしくない四本。TOHOシネマ六本木ヒルズの都内最大級の巨大スクリーンで見る機会などおそらく二度とはないでしょう。是非、みなさまおさそいあわせのうえ!

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2011-06-12

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監督:山下敦弘 脚本:向井康介 出演:妻夫木聡、松山ケンイチ 公式サイト

 川本三郎の自伝的エッセイの映画化で、東都ジャーナル(朝日ジャーナル)編集者だった妻夫木くんが松ケン演じる革命家の男にまきこまれて運命を狂わせていく…というお話。丁寧な作りで、なかなか好感が持てる映画である。ただ、二時間半近い上映時間はあまりに長い。見ていて違和感があったのが、松ケンたち革命家集団のアジトでの生活が描かれるところで、それまで一貫して妻夫木視点で来てるのに、なんでいきなり妻夫木くんが見てもいないことが描かれるのかなあ……原作どうなっているのだろう?とひどく疑問だったのである。てかむしろこの場面ない方がよくね?

 と思っていたら、これは原作にはなくて、映画オリジナルの描写なんだな。これには考えさせられてしまった……ぼくがこの映画を見ながら思っていたのは、まさしく 公式サイトで脚本家が語っている「梅山の原型になったKという人物の背景は描かない。赤邦軍も描かない。新聞社と、そこへたまにやってくる青年の話にしようと思ったんですね。原作を90分くらいにまとめるのは、方法論としていいんじゃないかと」という映画だったのだ。脚本家は「腕がなくてまとめられなかった」と言うんだけど。

でも、ぼくの思うに、それを作れなかったのは、能力とかそういう問題ではなく、梅山(松ケン)に妻夫木くんが思い入れてしまうのが理解できなかったからじゃないのだろうか。ネタバレとして書いてしまうと、これは朝霞自衛隊員刺殺事件の話である。今の視点で見ると、松ケンはただのテロリスト、殺人者でしかなく、なんで妻夫木くんが必死で松ケンを守ろうとするのか理解できないだろう。でも、これは連赤事件の前の出来事なのだ。暴力革命路線にもある程度のリアリティはあった。いや、少なくとも妻夫木くんはそれを信じていたのだと思う。でも、その思いは今の観客には共有されないかもしれない。だから松ケンの方の話を作りたくなるのだろう。でも、それはやっぱり蛇足なんだ。

 あと、映画が長くなってしまうのは山下監督の演出手法のせいもあって、長回しで俳優の芝居をじっくり撮ろうとするんで、どうしても切れない。しかも芝居どころを作りたくなる。アジトの場面とか、まさしく芝居どころなのである。だから俳優にとってはいい監督なんだろうというのはよくわかる。松ケンが出来る子だっていうのはわかってたけど、妻夫木くんもすごく良かった。ほぼベスト・アクトと言ってもいいんじゃないか(ただし松ケンは完全なサイコパスとして造形されてると思うので、「これで本物になれるんだ」みたいなセリフは不要)。

 そういうわけで、いろいろ構造的な問題を感じてしまう映画だったよ。

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2011-06-05

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら(2011)

監督:田中誠 出演:前田敦子、峯岸みなみ 公式サイト

「もし蓮實重彦が『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら(2011)』を見たら」という評論を書きたくなったがもちろんそんな面倒臭いことはしない。初日に劇場に行ったらガラガラだった。国民的アイドルだというAKB48のファンはどこにいるのだ!? やはり映画入場券の半券でAKB総選挙に投票できるようにするとかしないといけなかったのではなかろうか? その意味で、まだまだこの映画作者たちは顧客のことを考え抜いていないと思わずにはいられない。ちゃんとドラッカーに学んでいるのか?

 さて、原作自体はどうしようもない一発企画ネタ。映画はいくらか知恵を使っているようではあったが、しょせんは副音声+字幕の寝ていてもわかる方式映画(難病おまけつき)。

 映画を見ていて思ったのだが、これ、最大の問題はチームが強くなるプロセスにまったくドラッカーが関与してないってことである。「チームの目標を統一する」とか「練習を工夫する」とかそんなの強豪校ならどこだってやっている。というかぜんぶ『おお振り』で百万倍ちゃんとしたかたちでやっているではないか。そのどこにドラッカーが関与してるのか? 作者たちもそこが弱いと思ったらしくてドラッカー(本人)が出てきたりするんだけど、そういうことすると、もう、本当に、貧相な……

 ところでドラッカーを読んで高校野球をマネージメントしようとする主人公は、はっきり言って狂人である。だからこれを映画として成功させるにはその狂人ぶりを炸裂させるしかなかったのではないかと思うのだ。唯一、狂気のかけらが伺えるのは主人公が「プロセスなど問題ではない、結果(勝利)だけが重要なのだ!」と言い出すところなのだが、最終的にはそれが間違っていた(努力のプロセスが重要)となってしまうのはそもそものテーマそのものを裏切っているのではないか。そもそも「野球部」が「感動」を提供する組織なのであれば、別に甲子園出場なんかしなくたっていいはずだ!もっと片親の選手とか難病で死ぬ選手とかいっぱい出して、何かするたびにマネージャーがおいおい泣く。それが今の映画の「顧客」が求めている「感動」じゃないのかね!

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