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2011-03-10

わさお(2011)

監督:錦織良成(『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』) 脚本:小林弘利 主演:きくやわさお 公式サイト

 これがどういう映画かというと、「わさお」「白神山系「トライアスロン」の三題噺なのである。何を言ってるかわからないと思うが、こっちも意味わからないんで勘弁してくれ。

 物語は「トライアスロン」開催中の青森の港町ではじまる。少年アキラくんは「わさお(幼名シロ)」というブサかわな子犬を飼っていた。アキラくんが赤いボールを投げると、シロはいつも飛びついて持って帰ってくるのだ。トライアスロンの選手たちに応援を送るアキラくん、だがふとした拍子にボールが手からこぼれ落ちてしまう。拾いに道路へ飛び出すシロ。だがそこへ反対車線から車が! 危ない!とシロをかばおうと飛び出したお母さんは車に轢かれ……ってなんでトライアスロン中に車が走ってくるんだよ! ともかくお母さんは車に轢かれて半身不随。ショックを受けたアキラくんはシロに「おまえなんかどっかに行っちゃえ!」と言い放つ。東京の親戚の家にもらわれていくシロ。

 だが、シロはアキラくんのことが忘れられなかった。ある日ふと家を抜け出すと、野良犬として一路北を目指す。ところでみなさんはわさおは「ブサかわ」な愛嬌のある犬だと思っているだろう。だが見た目に騙されてはならない。わさおは秋田犬、天下の猛犬なのだ。森では狂犬病にかかっているようなドーベルマンもひと睨みで黙らせる迫力。白いたてがみは王者のしるし。いつしかシロは「はぐれ牙わさお」として恐れられる奥州の王になっていたのだった。

 そんなわけでアキラくん恋しさで東北まで来たわさおであったが、「おまえなんかどっかへ行っちゃえ」の一言がトラウマになっており、どうしてもアキラくんの前に顔を出せない。そんな中、またトライアスロンの日がやってきた(たぶん一年後だと思うんだが、一年でわさおがあんなになっちゃうもんなのか? 時間の経過がよくわからない)。ここでトライアスロンがらみで「一番になったら結婚してあげるわ!」とか三馬鹿老人とかいろいろあるんだけど、すべてどうでもいいから割愛。トライアスロン大会当日、お母さんがついに手術を受けることになった。一年間寝たきりだったのが、一年後に手術してどうにかなるのか? 転院するお母さんの姿を見たアキラくんは錯乱し、ふらふらと「白神山系」へ歩みいる。ところが今まさに里へ降りてくる人食い熊。何も知らずに山をさまようアキラくんの後ろから忍び寄る着ぐるみの熊! 少年の命は風前の灯火か! だがそのとき飛び出す白い影があった! はぐれ牙わさお!

 もはや何も言うことはない。ちなみにわさおの心の声はすべて薬師丸ひろ子が代弁してくれるんだが、いっそ高橋よしひろ方式で喋ってくれた方が良かったかも。

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コメント

こんにちは。
一点だけ気になりました。
トライアスロンの時、車は普通に走ってますよ。
バイクコースは距離が長すぎて逆に車両規制できないんです。

投稿: トライアスロンですが | 2011-03-10 11:27

>トライアスロンの時、車は普通に走ってますよ。

なるほど!そういうもんなんだ。ひとつ利口になりました。
まーありえない描写に変わりはないわけですが。

投稿: garth | 2011-03-10 15:03

「わさお」の検索で貴ブログにやって来ました主婦です。
犬好きでないとちとつらい映画かと思われました。
「高橋よしひろ」方式には同感です。
自分は元医療業界の人間ですが、おかあさんがどういう傷害だったのか、想像がつかなかったです。

投稿: PNU | 2011-03-11 10:49

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