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2011-03-09

南十字星は偽らず(1953)

Ain

監督:田中重雄 出演:高峰三枝子 解説

 今新東宝の歴史を調べているのだが、その過程でたいへん気になっていた一本。てっきり失われた映画だと思っていたので、まさか見られるとは思わなかった。長生きはするものである。

 解説文にもあるとおり、ボルネオに赴任していた旦那(トアン)が現地妻を連れて帰ってきた「二人妻」事件として知られている。現地妻自体はたぶん当たり前のようにおり、たいていは捨てられて現地で差別を受けることになったのだろうけれど、この場合は現地妻だった山崎アインが生命力にあふれた強い女だったため、日本まで来てしまったということなのだろう。で、その事件を直後に映画化したのがこれ。大蔵貢到来以前の新東宝のエクスプロイテーション映画。実はぼくはこの原作本(山崎アイン著)も持っているんだが、そこには「興味本位で作られた新東宝の映画だけでなく……」とか書かれていて、アイン本人は映画化に不満だったらしいことが伺える。ますます気になるではないか。

 映画は高峰三枝子がヒロインの山崎アインに扮し、恋人と引き裂かれ、生活苦から義兄に勧められるがまま日本人知事の上女中となることを承知するまでが描かれる。旦那は紳士的だったが、ある日日本から空襲で妻が死んだとの電報が届く。二人はついに結ばれるのだが、実はその電報は誤報であった。一方、抗日運動に身を投じていたかつての恋人は……

 これ、アインのナレーションではじまるのだが、最後には元恋人が恋の恨みでアインを刺して終わる。ってあのナレーションはなんだったんだ!『サンセット大通り』かよ!アインもびっくりしたんだろうな。死んじゃったら「二人妻」にならないじゃん。キャストではジプシー・ローズが出演してエクスプロイテーションに花を添えている。

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