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2010-12-30

天皇杯準決勝 鹿島2-1FC東京@国立霞ヶ丘競技場

 気がつくと今年は鹿島の試合を見に行っていなかった。最後の最後に滑りこみである。やっぱりどのスタジアムよりも国立がいちばん落ち着く。席はもちろんバックスタンド。

 試合は前半、FC東京の動きが良く、ガツガツこられて引いてしまう。パスは回るんだけど突破がなくて、まるで日韓戦みたいなゲーム。つい受けちゃって、両サイド(リカルジーニョ!)をガンガンやられて、しまいに平山に一生に一度みたいなスーパーゴールまで決められてしまう。

 ボールは持てても二列目からの突破がないんで、相手のゴール前で横パスばっかり。やっぱドリブルで切りこむ選手がいないと……本山がいれば……というところで満を持して本山投入。いきなりサッカーが変わってしまった。ヤス(遠藤)もなかなかいいとは思うんだが、まだまだあそこまではいかないねえ。興梠はどうも裏を狙うんじゃなくて引いてボールを受けようとすることが多く、どうなのかと思わずにはいられなかった。なんかそこら辺が今年カウンターが効かなかった理由なんじゃなかろうか。ポストは大迫にまかせて、ひたすら裏を狙いつづける方が相手にとっても嫌だと思うんだけどね。

 本当だったら90分で決まってたはずだと思うけど、サヨナラゴールで劇的勝利。東京サポの友人から元旦のチケットも譲ってもらった。ACL行くぞ!

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2010-12-23

柳下毅一郎の本棚

Libro Shibuya リブロ渋谷店(PARCO PART1 B1F)の〈著名人の本棚〉コーナーで、〈柳下毅一郎の本棚〉と題して選書させてもらう。「とりあえず……」とか言って選んでみたら予想通り絶版の嵐で大変困った。早川書房と角川書店はもうちょっと自分のとこのタイトルを大事にしていただきたいものである。チャック・パラニュークは何もない、ウィリアム・ギブスンは『ニューロマンサー』だけ、J・G・バラードは創元しかないとかもうね……まあでも最終的にはそれなりに格好はついたんじゃないかと。

 コーナーでは選書リストを配布してるほか、蔵書からいくつか珍しい本も貸し出し中(残念ながら見せるだけだけど)。一月いっぱいはやっている予定なので、お近くにおいでの際は、是非足を伸ばして覗いてみてください。

 12/24 写真追加しました。殺人本とかは裏側に。ケースに入ってるのがレア本です。

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2010-12-21

L'INCAL

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 1981年に発表されたアレハンドロ・ホドロフスキー原作メビウス作画の幻の傑作コミックL'INCAL「アンカル」がついに完全邦訳。その昔一巻だけ出て放置プレイになっていたものだ。今回の邦訳では立派なハードカバーの装丁に解説が小野耕世&古永真一、それに谷口ジロー×藤原カムイという二大メビウス・ファンの漫画家の対談がつき、帯にはは大友克洋と松本大洋というこれでもかとばかりの物量作戦でどうしても日本でメビウスを売りたい!という小プロの気迫を感じずにはいられない素晴らしい本。ぼくもおよばずながら解説を寄稿している(つまり解説三本に訳者後書きという四本体制)。ぼくは「夢の映画『アンカル』」と題してホドロフスキー版デューンから『アンカル』へ繋がる流れについて書いた。昔のStarlogに寄稿してるような気分で楽しかったよ。それにしてもホドロフスキー版の『デューン』の脚本っていいかげんどこかで読めないものかねえ。

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2010-12-20

ゼロ年代アメリカ映画100

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「ゼロ年代」と名のつくモノには近づかないことにしていたのだが、三顧の礼を踏まれてつい原稿を引き受けてしまった。『ゼロ年代アメリカ映画100』(芸術新聞社)に、「カウフマン対アンダーソン」と題するコラムを寄稿している。中身は「チャーリー・カウフマン問題」について。コラムはどれも面白いので、是非ご一読を。個人的には日本未公開映画について書かれた添野知世のコラムが勉強になった。

 今野雄二氏の遺稿のタイトルが「亡き巨匠たちのためのレクイエム」なのにはちょっとぞくっとしたよ。

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2010-12-19

癒しの遊女 濡れ舌の蜜(2010)

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監督・脚本:荒木太郎 出演:早乙女ルイ、那波隆史 PGの紹介 劇場サイト
 荒木太郎2010年最後の映画はなんと原作永井荷風『墨東綺譚』である。となればもちろん舞台は玉の井で娼婦お雪との交情が語られるわけだが、時代は現代に設定され、お雪のつとめるカフェがどこにあるのかも曖昧なままである。主人公の作家・大江は旧上野オークラの常連で、映写技師とダメリながら秋葉原殺傷事件の犯人のことを思ったりもする。もちろん、その上野オークラは今はなく、ぼくはこの映画をビデオシアターになった新オークラ劇場で見た。お雪とのはかない交流、失われた旧玉の井の街が、消えつつある「街の淀み」、上野オークラ劇場とたそがれのピンク映画の世界に重ね合わされる。お得意の8ミリのインサートも美しく映え、まずは佳作と言っていいのではないか。

 荒木監督の文芸映画ではいつも躓きの石になっていたピンク映画特有の乱暴な濡れ場も、荷風の世界だとそう気にならないというか、むしろしっくりくる。この映画をホモと覗きマニアだらけの劇場に見に行くぼくらは、自分を悪場所に足を運ぶ荷風に見立てていたりするわけだが、それもまたいいではないか。

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2010-12-17

異形の愛

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 茅場町・MAREBITOに〈阿部一徳のちょっといい話してあげる〉を聞きに行く。ク・ナウカの阿部一徳のソロプロジェクトで、文学作品を語り下ろすというもの。実はこのレパートリーの中にキャサリン・ダンの『異形の愛』があるというので、以前から一度見てみたいと思っていたのだ。

『異形の愛』は「フリークス版『ホテル・ニューハンプシャー』」とも言われた史上最強のフリーク家族小説で、ぼくの翻訳の中でも最高傑作のひとつだと思っている。今はなきペヨトル工房から出版された。そう、『村崎百郎の本』にも書いたとおり、村崎=黒田一郎くんの担当編集本であり、ぼくも彼もこよなく愛した一冊だった。すでに絶版になって久しいが、こうして忘れずに朗読劇で再演してくれる人もいる。

 長大な原作を二時間弱の語りにまとめなければならないので、いろいろはしょられている部分も多く、双子やチックの話が短くなってしまったのはちょっと残念。でも阿部氏が朗々と語るアーティの説教は迫力だった。オレの翻訳も悪くないじゃん、と思いながらもちょっと赤入れたくなっちゃったりして。最後は他人事のように普通に感動していた。今回の公演は三回とも完売らしいけれど、人気ネタだということなので再演の機会もあるでしょう。その際にはみなさま是非足をおはこびください。

 ちなみに入場チケットは薔薇の押し花。素敵なオマージュだ。

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2010-12-11

白いリボン

 朝日新聞2010.12.10付け夕刊にミヒャエル・ハネケの『白いリボン』の映画評を書く。正直なところハネケの中では並くらいかな……という気もする作品だけれど(『ピアニスト』には劣り、『隠された記憶』や『ファニーゲーム』よりはだいぶまし)、特集も含めて見に行っていただければ幸い。ちなみに映評には「罪なき無菌状態を作ろうとした暴君はその試みに反撃されるのだ」と書いたのだが、何を言いたいか、わかるよね?

 なお、この原稿は諸般の事情でほぼiPhone上で書いた。ATOK Pad + Textforce (+Dropbox)という環境で、ついにどこでも原稿書き環境が構築されたのだ。一応メモ書き自体はパソコン上で作ってあったのだが、それでもほぼ完全にiPhone上で書いた原稿が全国紙の紙面に載るというのは画期的なことではないだろうか? ギネスブックに載らないかな?

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2010-12-05

LIVE『No1 in HEAVEN』大忘年会!!

 12/8(水)阿佐ヶ谷ロフトAでおこなわれる安田理央さんのハイパーエロDVDマガジンNo.1 in HEAVEN主催の年忘れイベントに出演することになりました。京浜東北線古本せんべろツアーをやったアル中おっさん軍団とみさ昭仁+安田理央に吉田豪ちゃんも加えて古本トークします。というわけで詳細はごにょごにょですがこの日はtwitterにも注目ですよ。

LIVE『No1 in HEAVEN』大忘年会!! 阿佐ヶ谷ロフトA OPEN18:30 / START19:30
出演:安田理央・柳下毅一郎・とみさわ昭仁・吉田豪・峰なゆか・バクシーシ山下・ゴールドマン 他
前売¥1,800/当日¥2,000(共に飲食代別)

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ゆめのはなし

 サッカーを愛してやまないスルガ銀行のサイトにはサッカー好きの有名人が好き勝手に放談するゆめのはなしというコーナーがありますが、今月はぼくが呼ばれてインタビューに登場しています。普段は仕事を断りまくる嫌な奴として知られているオレですが、サッカーの話となれば別ですよ! というわけでいい湯加減で喋りまくってますんで、是非読んで笑ってやってください。「ベスト11」を選ぶコーナーがあるんですが、そこではもちろん「サッカー映画ベスト11」を選びましたよ。

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