« 「大森望のSF漫談 」VOL・9 ゲスト:柳下毅一郎 | トップページ | 玄牝 (2010) »

2010-10-30

ポランスキーとスコリモフスキー

 今年の東京国際映画祭ではロマン・ポランスキーとイエジー・スコリモフスキーの新作が上映された。戦後ポーランドを代表する巨匠二人の新作が、ここ東京で競演することになるという不思議。この二人、ウッジ映画大学の同窓生で(年はスコリモフスキーの方が五つ上だが、ほぼ同級生らしい)、脚本も共作している(『水の中のナイフ』)くらいなのだが、どうもあまり仲良さそうに見えない。二人は共に国を棄て、その後イギリス→アメリカと同じようなコースをたどることになるのだが、近いところにいても軌跡が交差した様子はない。インタビューでもほとんどお互いのことは言及しない。はたから見ていると不自然なくらい冷えた関係に見えるのだ。コメダ絡みの三角関係とかそんなのかなあ、とかいろいろ妄想は膨らむのだが。

 ベルリンで絶賛されたポランスキーの『ゴースト・ライター』はブレア英国首相(ピアース・ブロスナン)がイラク戦争における捕虜拷問の罪を国際司法裁判所に告発される話。スコリモフスキーの『エッセンシャル・キリング』はヴェネツィアに出品されたんだが、こっちではヴィンセント・ギャロがアルカイダの戦士になって必死で逃げまわる。もちろんギャロは水責めの拷問もされる。なんだろうこの偶然は。しかもブロスナンは「国際司法裁判所に加盟してない国は?イギリスに戻ると逮捕の可能性があるけど、アメリカにいるかぎりは大丈夫だ」なんて言いだす。もちろん、間違ってスイスに行くと逮捕されちゃうわけだけど!

 ちなみにポランスキーの愛妻エマニュエル・セイナーはスコリモフスキーの方に出演している。なんなのだろうね、この関係は!

|

« 「大森望のSF漫談 」VOL・9 ゲスト:柳下毅一郎 | トップページ | 玄牝 (2010) »

コメント

スコリモフスキーの本でのポラの文章読む限り
(あーコレちょうど事件の年の初出なんだ・・・)
巧くてメランコリックで個性的で奇をてらったスコ流映像演出には
(バリエラとか出発とか)信用はおけるけど
そのぶんムカつくとこもあるみたいなこと綴ってましたよね。

柳下さん、インタビューする機会あったら
そのこと本人に尋ねるのもおもしろそうですね。
あと、
「アンナと過ごした4日間」の着想のもとは
あの映画の中身まんまの奇妙なストーカー行為
(っていうのか?アレw)を新聞記事で見かけたこと
から端を発する。で、その犯人は日本人男性。
との本人の弁ですが探しうる限り評論家やライターの
インタビューなどの資料媒体から裏がとれません
(事件内容が内容だから日本人として聞きたがらない
ってのもあるかと邪推していますが)。

監督は「10年ほど前にLAタイムズに小さな
トピックスが掲載されていた、それもたった一行。」
と「世界の珍事件コーナー」パンフで云っていました。
柳下さんコレわかったりします?
柳下さんけったいな事件に詳しいですし、自分より以前から
スコリモフスキーファンですし・・・
(馴れ馴れしくてすみません。m(_ _ ;)m )

しっかしスコリモフスキーってポラとは同郷だし
ワイダには意見堂々と云える若者の立場だったり
バートンやクローネンバーグの映画に出たり
(このふたつは撮監つながりらしいっスけど)
描いた絵画作品はニコルソンやホッパーが買った
というし、と思ったら今度の主演はギャロさん!
おもしろい人ですね。もちろん監督作や例の交通事故
とカメラのエピソードもですが。『早春』なんか
トラウマ映画の金字塔として有名ですし
(町山さんがポッドキャストで紹介してました)、
アランベイツと組んだホラーもかっこいいし!

そういえば「アンナ~」
のパンフの寄稿文は樋口さん
(音響こだわりまくりんぐ監督だしなぁ。
いい文でした。)、
本の帯は中原昌也さんというw


「エッセンシャル・キリング」は公開待ちの身ですが
邦題ヘンなことにしない事だけ祈ります。

投稿: ガイガンKaki | 2010-11-09 11:10

あと22回東京国際映画祭のWEBの
紹介欄の写真、イケメンにキメすぎです(笑)

http://2009.tiff-jp.net/ja/awards/jury.html

投稿: ガイガンKaki | 2010-11-09 11:15

>「エッセンシャル・キリング」   必要不可欠・必須な殺し・・・

(予告のトーンも含め)ガクガク(( ;゚Д゚)))))))ブルブルならずにいられないですね・・・無論ストーリーも。
  
つかギャロ、ちゃんと映画祭出席しろよとw
会社とかそんななんかが仕組んでんのかな?wと邪推してしまうくらいに
スコリモフスキがイイ顔で主演男優賞ぶんのトロフィーまでかっさらってキメていきました(先月くらいのキネ旬写真記事)。
でもほんとにスネてフケたんだろなぁ。ギャロだもの。
さすがギャロ。

投稿: ガイガンKaki | 2010-11-28 03:53

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/198151/49882960

この記事へのトラックバック一覧です: ポランスキーとスコリモフスキー:

« 「大森望のSF漫談 」VOL・9 ゲスト:柳下毅一郎 | トップページ | 玄牝 (2010) »