恋するナポリタン(2010)
監督:村谷嘉則 出演:相武紗季、MAKIDAI、塚本高史 公式サイト
カナザワ映画祭ではシェラ・デ・コブラの呪いをはじめいろいろ楽しかったのだが、いちばん強烈だったのは30年ぶりくらいに見た霊的爆音上映『スクワーム』だったかもしれない。で、『スクワーム』を見てるあいだじゅう、思い出していたのがこの映画のことだ!
この予告編を見せられては見に行かないわけにはいくまい。しかも予告編を見ただけではなんの映画かさっぱりわからないというおまけつき。それとなく情報を集めるとなんか「相武紗季は事故で恋人を殺してしまった加害者と恋に落ちる」とかって話だという。つまり『乱れ雲』みたいなの? MAKIDAI=加山雄三? と思ってたらさらに実はマクロビ映画だともいう。なんだそれ意味不……と思いながら見に行ったよ。ちなみに前売りはチケット屋で700円だったが新宿では250円で売ってるところもあったらしい!
ナポリ帰りの帰国子女田中武(塚本高史)は東京タワーの近くで〈ナポリ食堂D'Angelo〉という学祭の模擬店みたいなチープなイタリアン・ビストロを経営している。仕事が終わって一息つくと、煮え切らない仲の幼なじみ(相武紗季)から留守電が入っていた。「いまー、水沢さんからプロポーズされててえー、どーしようかと思ってるんだけどー」志村後ろ!としか言いようのないメッセージを聞いて、塚本くんはプロポーズの場所へと走る!水沢(市川亀治郎…キモ顔)のレストランの前で、長年言いたかったことを言おうと思った瞬間、上からMAKIDAIが降ってきた! 下敷きになって塚本くんは敢えなく死亡。
一ヶ月後、昏睡状態だったMAKIDAIが目を覚ます。実はMAKIDAIはピアニストだったのだが、海外進出の夢がかなわず三年間引きこもっていたのである。で、三年ぶりに外に出たと思ったら屋上から降ってきた。すべての記憶を失ったMAKIDAIだが、なぜか好きだった女の子にずっと料理を作ってはふるまう記憶だけが浮かび上がってくるのだった。自分が殺した男の墓参りでばったりその娘=相武紗季に出くわすと「きみ、ぼくの恋人だったでしょ?」と迫って当然のごとく激怒される。
やがて武の記憶を取り戻したMAKIDAIは〈ナポリ食堂〉を再開させるが、やってきた相武紗季に「ぼくは武なんだ。きみを愛してるんだ。いや武じゃなくてMAKIDAIとして愛してるんだ」とか訳の分からないことを言い、「あたしをからかって面白いの!?」と拒絶されてしまう。そのころ、医師(茂木健一郎!)はMAKIDAIの姉に怖ろしいことを告げていたのである。「あー、この人脳腫瘍があって、いつ死んでもおかしくないですねえ。今立って歩いてる方が不思議ですねえ」
何がマクロビなのか!?って思ってたら〈ナポリ食堂〉のメニューにピッツァ・マクロバイオティクとかいうのがあった。それだけ。しかもすごく不味そう。
やがて相武紗季の「いちばん幸せな日」にナポリにはないナポリタンを作ったMAKIDAIは「あ~思い残すことなくなったから武の記憶消えた!」と言い置いて南紀白浜へ飛び地産地消のPRをはじめるのであった……
| 固定リンク
| コメント (5)
| トラックバック (0)
最近のコメント