Je t'aime, je t'aime (1968)
監督:アラン・レネ 脚本:ジャック・ステンベルク 音楽:クシシュトフ・ペンデレツキ 日仏学院のアラン・レネ全作上映にて。
30年間見たかった映画をついに見た! 大袈裟に聞こえるかもしれないが、この映画のことを最初に知ったのはSFマガジンの映画紹介のコーナー。そこで紹介されているのを見て観たい!と思ったのはたぶん中学生のころである。当時、ゴダールは『アルファヴィル』を、トリュフォーは『華氏451』を作った。なぜかヌーヴェルバーグでSFが流行っていたのである。しかるにわが最愛の監督だったレネの本作だけはなぜか日本公開されず、見る機会もないまま現在にいたったのである(今回見てわかったが、これ、FOXの製作だったんだね。おそらくそのせいで日本の会社が買えなかったものと思われる)。それが、ついに!
自殺未遂をしたところを救われた主人公クロードは研究所で時間旅行の実験に志願する。四分前の過去に戻るはずだったが、機械の故障でクロードは痙攣的に過去を飛びまわることになる。過去を追体験する中で、クロードは自殺の原因となったカトリーヌとの破滅的恋愛をも再生する……
映画として見るとどうしても『スローターハウス5』を思い出してしまうのだが、あちらは1972年。影響関係についてはよくわからないのだが、おそらくはレネもヴォネガットも共にこういう時間感覚を持っていたのだろう。ヌーヴェルバーグらしくセットのないSF映画で、ひたすら過去のフラッシュバックが続くので、話が見えてくるまでにだいぶ時間がかかる。久しぶりに脚本読みたい!と思う映画に出会ったよ。音楽ペンデレツキ。素晴らしい。
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