痴漢電車 夢指で尻めぐり (2010)
監督:加藤義一 出演:かすみ果穂、紺野和香、ほたる(葉月蛍)、倖田李梨 PG
ひさびさに上野オークラ。三本見るのも久しぶり。オークラの正月映画で二週上映、女優も豪華に四人使いである。
わりと実験的な作風で、主要登場人物四人(男女優それぞれ二人ずつ)のモノローグをかぶせて話をつなげてゆく。「そのときにわたしの時間は止まった」「止まった時間を動かそうとぼくは電車に乗った」てな調子。結果、ほぼ60分間全編ダイアローグという映画ができあがった。脚本的にはしてやったりなのかもしれないが、さすがにこれでは芝居どころがなさすぎ、作られた筋を見ているだけという印象になってしまった。
あと痴漢プレイに目覚めてしまう妻を演じた紺野和香が「来夏は地味な格好で、下着も地味な女だったが……」と言われてもいるにもかかわらず、どう見てもケバいキャバ系なのが違和感ありすぎる。なにやらキャスティング上でトラブルがあったのか?とつい裏事情を想像してしまう。 主役の二人(かすみ果穂と津田篤)以外の話が放りっぱなしなのもいかがなものか。
残りは竹洞組の吉沢明歩がかわいいうどん屋ものとサトウトシキの1997年作品『団地妻 白昼の不倫』。これがやっぱ一番良かった。脚本の小林政広もちゃんと仕事をしてるし(ただし旦那の浮気疑惑についてははっきりさせないままにしておく方が効果的なのではないか)。葉月蛍が浮気相手(最後まではやってない)とホテルから出てきたところで旦那と出くわし、「何やってんだ!」「……買い物」というところでつい吹き出してしまった。
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