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2009-12-23

第三回はくさい賞

 本年もそろそろ終わりを迎え、一年をふりかえる季節がやって参りました。この時期の恒例行事と言えばこれ、年次最低映画を決定するはくさい賞のお時間です。今年は本当に見る映画見る映画ひどいものばかりで、ノミネートを選ぶだけでも一苦労。いや実際、キネ旬ベスト10に投票する人とかどうするんだろう?と人ごとながら心配してしまうほどです。実際、まともな邦画10本もあったっけ?

 喧々囂々の議論の結果、選び抜かれた栄えある各賞ノミネートは以下のとおりであります。

2009 HIHOはくさい映画賞 ノミネート一覧

最悪作品賞:
『アマルフィ 女神の報酬』
『レイン・フォール 雨の牙』
『スノープリンス 禁じられた恋のメロディ』
『ROOKIES -卒業-』
『カムイ外伝』

最悪監督賞:
紀里谷和明(『GOEMON』)
崔洋一(『カムイ外伝』)
マックス・マニックス(『レイン・フォール 雨の牙』)
北川悦吏子(『ハルフウェイ』)
平川雄一郎(『ROOKIES -卒業-』)

最悪主演男優賞:
織田裕二(『アマルフィ 女神の報酬』)
松本人志(『しんぼる』)
眞木大輔(『白夜』)
佐藤隆太(『ROOKIES -卒業-』)
玉木宏(『真夏のオリオン』『MW』)

最悪主演女優賞:
長谷川京子(『レイン・フォール 雨の牙』)
鈴木京香(『サイドウェイズ』)
稲森いずみ(『THE CODE 暗号』)
長澤まさみ(『群青 愛が沈んだ海の色』『曲がれ!スプーン』)
黒木メイサ(『昴-スバル-』『ASSAULT GIRLS』)

最悪助演男優賞:
大沢たかお(『GOEMON』『ハルフウェイ』『BALLAD 名もなき恋のうた』)
ゲイリー・オールドマン(『レイン・フォール 雨の牙』)
伊藤英明(『カムイ外伝』)
石橋凌(『MW』)
香川照之(『劒岳 点の記』『カイジ 人生逆転ゲーム』『スノープリンス』)

最悪助演女優賞:
桃井かおり(『昴-スバル-』)
マイコ(『山形スクリーム』『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』『スノープリンス』)
天海祐希(『旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ』『ゼラチンシルバーLOVE』『カイジ 人生逆転ゲーム』)
サラ・ブライトマン(『アマルフィ 女神の報酬』)
福田沙紀(『ヤッターマン』『火天の城』)

正直、作品賞は10作品ノミネートでもまったくかまわないというくらい充実の一年でした。はたして栄冠は誰の上に輝くのでしょうか? 明年1/20発売の映画秘宝2010年3月号での発表をお楽しみに!

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2009-12-20

このミス&The Best Manga

 そろそろ年末ランキングの季節。当然気になるのは『フロム・ヘル』の順位で……宝島社の『このミステリーがすごい! 2010年版』では海外編20位にランクイン。たぶんコミックのランクインははじめてなんじゃないかな? みすず書房の本が選ばれたことも含め、大健闘か。

 投票してくれたのは尾川健(大阪屋)「恐ろしいまでの迫力でジャンルの枠を越える傑作」(毎度ありがとうございます、もっと売ってください!)、坂川充(元MYSCON代表)「もっと上位にあげたいところですがコミックなのでこの順位に」(コミック差別はいけないと思います!)、野本秋里(ミステリ愛好家)「歴史と神話とマンガの織りなす不気味なまでの迫力が最後まで緊張感を失わせない」、東京大学新月お茶の会「第四章が圧巻」(わが後輩たちよ! いやぼくは新月には入ってませんでしたが)、大森望「切り裂きジャック販『虚無への書物』とも言うべき二十世紀最後の傑作」。みなさまどうもありがとうございます。大森望は座談会でも推してくれてありがたいかぎり。

 一方、コミックの方ではフリースタイルから出た『The Best Manga 2010 - このマンガを読め!』で16位に選ばれている(ちなみにあと二つ出ているコミック・ランキング本には影も形もないが、これはレギュレーションのせいでもあるらしい)。ミステリーで20位なのに、コミックで16位というのはちょっと微妙な感じだけど、まあアメコミが取り上げられるだけでもありがたい。

 こちらで票を投じてくれたのは漫棚通信「まさに海外からやってきた黒船」、小野耕世「読み込むほどに奥ゆきが深く想像力を刺激」のお二方。あとアメコミ理解者だとおしぐちたかしが……と思ったら『トップ10』を選んでいた。そっちか! 総評でも触れられてはいるものの、やはり「コマ割りが単調で読みづらい」と言われてしまった。実はこれは日本人の漫画読みにはよくある意見だったりする。アメコミの(とりわけムーアが好む9分割の)コマ割りは日本漫画のコマ割りとはまったく違う論理に基づいているので、日本の漫画と同じように読もうとするとひっかかってしまうのだ。日本の漫画に慣れた漫画読みほどひっかかりるというのが、日本でアメコミがなかなか受け入れられないひとつの理由になっているような気もする。

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2009-12-08

Discipline for Kindle for iPhone

3
 文化庁メディア芸術祭推薦作品の傑作ゲーム『ディシプリン~帝国の誕生』。前からやってみたいと思っていたんだが、我が家にはWiiがないんで遊べない。どうしよう…と思ってたら飯田和敏さんが「Discipline for Kindle作ったよ!」と教えてくれた。KindleならわがiPhoneにKindle for iPhoneが入っているではないか。それならプレイできるかもしれない! と思ったので、飯田氏からpdfのデータをもらって、Kindleに放り込んでみた。

 調べたところ、Kindle for iPhoneではデータはprcというモバイルブック形式で管理しているらしい。中を見ると
/private/var/mobile/Applications/***(Kindleのあるディレクトリ)/Documents/eBooks
の中にprcとmbpと拡張子のついたデータがある。なのでprcに変換してここに放り込んでやればいいはずだ。

 もちろん要jailbreakだが、やってみたらたしかに読めた! ただしpdfからprcへの変換がうまくいかなかったので、今後さらなるトライが必要。日本語を読めるかどうかはテストしてないが、少々難しいかもしれない。

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2009-12-07

電動のメリークリスマスFinal

 昼は文学フリマへ。ずいぶん大規模なイベントでびっくりした。とみさわ昭仁氏の『人喰い映画祭』他いくつか。本を見ていて「『フロム・ヘル』面白かったです」と言われると買わざるを得ない罠にかかっていろいろ買った。飯田和敏氏がkindleで同人誌販売するというのでkindle for iphoneでも閲覧できるか?といろいろやってみたのだがどうもうまくいかず。DiskAIDかiFunBoxがあればいけたんじゃないかと思うんだが…あと、two minutes warning氏のnamesが異常なクオリティの高さ。参加者が女性ばかりだというところもポイント高い。ぼくが着いたときにはすでに完売状態だったらしい映画同人誌Bootlegも運良く譲ってもらうことができた。これには古澤健監督による自主製作映画がおまけについていたのだが、その中身は……あえて触れまい。

 夜は池袋のLive Inn Rosaで電動のメリークリスマスFinal。モデルプランツも結成25周年でファイナル、ついに解散でラスト・ライブだそうだ。本当は東京タワーズも見たかったのだが、着いたのが遅すぎて出番終わっていた、糞……思えば大学に入って最初の夏、TOKON8の裏合宿というのをやったんだが、そこの館内放送でなぜか延々と東京タワーズのライブが流れていたのだった。あれは誰がファンだったんだろうなあ。あのころはSFもロックもカウンターカルチャーだったんだね。

 ラスト・ライブ、Flip Videoで撮ってみたので許可を得てアップ。まさに円熟という言葉がぴったりの素晴らしい演奏。これで解散とはもったいない……が来年くらいには再結成だよな!

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2009-12-01

ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない (2009)

監督:佐藤祐市 出演:小池徹平 公式サイト

 こんな映画ばっかり見せられて、こっちが限界かもしれない。

 …と言いたいがために見に行ったようなもんだな。これ、ご存じのとおり2chの書き込みの映画化なわけだけど(なぜか映画内では「Bちゃんねる」になってる)、なんか不愉快な映画なのだね。主人公の母親が死ぬところがギャグっぽく撮られていて、どういうつもりなんだろう?と思ったよ。

 一応主人公の小池徹平が限界になっちまったところからはじまって、そこからその原因はなんなのかを探っていくという構成。「史上最大のデスマ」? いやそれは大丈夫だった。「中卒だってバレて虐められる」? いやそれも我慢できた。でも……てな調子。『キサラギ』とかもこんな感じだったりするのかなあ?(見てないけど) しかし、根本的に理由なんかどうでもいいと思わざるを得ない。あまりに戯画化されすぎた駄目人間ばかりの会社で、最初からこんなとこ入る方が間違ってるとしか思えからである。

 最後は「史上最大のデスマ」で辞める気になった主人公が、不愉快な連中ばかりの同僚に励まされ、みなが協力してついにデスマーチ乗り切って感動の大団円。主人公ももうちょっと頑張ってみようかと思う……ってブラック会社肯定なのかよ! まるでデスマーチが主人公を鍛える試練であるかのように描かれてるんだが、違うだろ! 続篇ではデスマの連続で過労死した小池徹平の葬式からはじまって、本作の不愉快な登場人物たちがその死の真相を探ります。

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