しんぼる (2009)
監督・脚本・主演:松本人志 公式サイト
かなり積極的に見たくなかった映画である。なぜかというと松本さんのファンの人はたいそう粘着質にしつこいからだ。左カラムの「最近のコメント」を見てもらうとわかるように、いまだに『大日本人』と『ひぐらし』についての記事だけはファンから執拗にコメントがつくのだ。もういい加減にみんな忘れようよ!オレはもう『ひぐらし』のことなんかとっくに忘れたよ!
ある日「ぼく」が目覚めるとそこは真っ白な部屋だった。壁からは小便小僧のちんこみたいなものが突き出している。「ぼく」がちんこを押すと、きゅっという音がして、壁からタイプライターが飛び出した。「ぼく」はタイプに向かって助けを求める手紙を打ちつづける……
あーごめん。途中で「リスの檻」(トマス・M・ディッシュ『アジアの岸辺』所収)が混ざってしまった。というか、こういう話はそういうかたちにしか着地しようがないんですよ。もちろん松本さんはディッシュなんか読んでるわけないんで、おそらく『CUBE』かなんか見て思いついたんだろうけどさ。問題はだね、松本さんはこれが40年前のニューウェーヴ小説だってことに気づいておらず、作りながらこれが自分の話だってことを発見してるんですね。だから物語は壮大なスケールで創作者の苦悩と喜びを訴え……
……セカイ系ってこういうことかなあ、などと思いました。やっぱりこの手の話に必要なのはディッシュの含羞であって、間違っても松本さんのナルシシズムじゃないのよ。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
どうも,観ました。
僕も見ていて松本のオリジナルかと思うと完全に脱落した感じです。
観ていて,いつ映画が終わるだろうと何度かありました(笑)
まさか『大日本人』よりもつまらない映画を作るのかと思うと悲しくなります
後,柳下毅一郎先生。国際映画祭の作品における審査員の反応はどの程度ありますか?
投稿: デュード | 2009-09-14 17:41
メキシコ編は少し良かったんですけどねー。何か「ちゃんとしたオチをつけることから逃げられた」って感じました。まぁいいんじゃないでしょうか、どうでもと言った感じですかね?数日後には見たことすら忘れそう(笑)
投稿: ステゴ | 2009-09-14 23:18
「しんぼる」には大して興味は無いけど、破壊屋の掲示板なんかに、日本語ムチャクチャで気色悪い書き込みしてるデュードって人が何でバカのくせにエラソーなのかは気になる。「どっちの地雷を・・・」じゃねえよ。気持ち悪い。どっちでもいいわ、お前の踏む地雷なんて。
投稿: 笑 | 2009-09-14 23:28
訂正
>後,柳下毅一郎先生。国際映画祭の作品における『しんぼる』の審査員の反応はどの程度ありますか?
投稿: デュード | 2009-09-14 23:29
>目覚めるとそこは真っ白な部屋
>タイプに向かって助けを求める手紙を打ちつづける…
面白そうじゃないですかw
CUBEとかエンディミオンとか郵便的不安とか
10年前なら傑作扱いw
投稿: securityblanket | 2009-09-15 06:39
すごくつまらなそうだけどオチだけ気になっていましたが
ここの評のおかげで大体分かりました。観なくてすみそうです。ありがとうございます。
投稿: rat | 2009-09-15 13:31
望むと望まざるとに関わらず、
釣り釣られの関係なわけです。
投稿: o | 2009-09-15 21:38
自分的にしんぼるはそれなりに面白かったけど
良くわからない映画でしたw
松本さんはこの先どんな映画やっていくんでしょうか
投稿: ニュースウォッチ | 2009-09-17 20:53
ナルシシズムねぇ・・・
投稿: 偽エリカ様 | 2009-09-20 00:43
柳下さんも松本さんも同じ穴のむじな。
気難しくて下らなくて発言が信者共の脳内基準になる。
本人がインテリか馬鹿かの些細な違いしかない。
投稿: うん | 2009-09-21 20:22
毎回思うんですが、評論する=その物(人)より優れたものを作れることができる(その人物より優れてる)人じゃないと評論してる言葉に価値がないと思うんですよ。
逆上がりできない人が、ネットやら本やらで学んだ知識やらで、逆上がりできる人の逆上がりを評価してるって滑稽な話に聞こえませんか?
あなたが世界いや日本いや松本本人1人にでも納得してもらえる作品を作れることができなければ、それはただの子供の戯れごとの様な気がしてならないのです。
投稿: 評論家って・・・ | 2009-09-24 23:58
たとえ子どもの戯れ言でも(そうは思わないけど)、
いってることに説得力があればそれでいいんじゃないの?
いいこといっててもクソガキだからダメ、
逆につまんないこといっててもいい映画とってるから、
もしくはいいひとだから価値がある、ってこと?
投稿: u | 2009-09-27 11:45
>なぜかというと松本さんのファンの人はたいそう粘着質にしつこいからだ。左カラムの「最近のコメント」を見てもらうとわかるように、いまだに『大日本人』と『ひぐらし』についての記事だけはファンから執拗にコメントがつくのだ。
それはあなたがいつも商売の相手にしている映画ファン以外の人間が、松本やひぐらしには付いているからでしょう。
多くのファンを持っている対象に言及すれば、多くの人の目に触れる機会が多くなり、必然的に反応も多く帰って来る訳で、それを「粘着質」という言葉で侮辱するのは筋違いではありませんか?
それとも、こうした無理解な批判にも負けない筋の通った映画評論家、というイメージを振りまこうとしているのでしょうか?それこそ屈折したナルシシズムではありませんか?
投稿: あぎれ | 2009-09-27 20:05
>評論する=その物(人)より優れたものを作れることができる(その人物より優れてる)人じゃないと評論してる言葉に価値がないと思うんですよ
それなら松本氏が「シネマ坊主」でやった一連の映画評論は失礼千万ですね。
ついでに松本氏がよく言う「日本のお笑いは高レベル」っていうのも事実認識として間違いなんじゃないでしょうか。彼がそう断定できるほど世界中のコメディに精通してるとは到底思えません
投稿: 地獄のキューピー | 2009-09-27 22:20
その理屈でいうなら、あなた(評論家って・・・さん)は柳下さんよりも、おもしろおかしく「しんぼる」を擁護するカキコしないとね。。せいぜい頑張ってください。あと、あまり童貞こじらせないように。
投稿: カス男 | 2009-09-27 22:56
>評論家って…
柳下さんは松本より沢山映画観てるし松本より勉強してるから批評する権利はありますよ、っていうか金払って観てるんだから文句言って当たり前だろうが!。
じゃあ、あなたは「しんぼる」を金払って観てボロクソ言った観客全員に
「お前が映画作ってみろ」
って言うつもりなんですか?。
むしろ逆上がりが出来ていないのは松本の方では?。いや、それ以前の問題かも。
投稿: ウーリー | 2009-09-28 15:49
>いいこといっててもクソガキだからダメ?
いいこと言えるクソガキっていますか?
まぁ仮にいたとしても、信憑性がないと思いますよ。例えば、クソガキがその日観た映画を「これは全然ダメだ。こうしたほうがいいよ。」と、もし、本当にアドバイスしたとしても、誰も話を聞かないでしょう。それは仕方のないことだと思います。そのアドバイスをいうまでの過程で認められるものがないからです。
>逆につまんないこといっててもいい映画とってるから、もしくはいいひとだから価値がある、ってこと?
少なからず、クソガキよりは価値があるでしょうね。何故かというと、それまでに価値があるものを作ってきたからです。そしてその人の言動で人は動きます。それはあたりまえのことでしょう?
第一その「つまんない」という言葉の定義が私には理解できないので、例文など書いていただけませんか?
投稿: 評論家って・・・ | 2009-09-28 19:02
誰の口から発せられた言葉であっても、その言葉を理解し、取捨選択をするのは、基本的には受け取る側の問題でしょう?
「~さんの言っていることだから正しい」
「~が言っていることだからオモシロイ」
なんて受け取り方は、思考停止を起こしたノータリン(文字通り)なのでは?
もちろん、人は先入観から逃れることはできないし、すべての情報を、そのバイアスのかかった五感で受け取るしかない。
で、この映画には“松本人志が作った”という強固なバイアス(先入観)が張り付いていて、見る前から「どうせつまんねーだろうな」と思わせてしまうわけです。(あくまで、“まともな”人の場合ですよ)
しかし仮に、柳下さんがこの映画を見ておもしろいと感じたら素直にそう書いてますよ。
実際つまらなかったから、“やっぱり”つまらなかったと書いてるだけでしょう。
逆に、柳下さんが好きな監督が作ったものでもつまらないと感じれば、そう書くでしょう。
見る前には様々な情報が与えられて先入観を持たざるを得ないけれども、一旦見始めたらその映画と鑑賞者との間にある壁をぶち壊し、その映画だけを見させてくれる。
“おもしろい映画”ってそういうもんじゃないですかね?
それにしても、>うんさんの指摘は一理あるなと唸らされた。
確かに僕は柳下毅一郎という人が書く文章が好きだ。
そうすると、やはりどうしてもそっちよりのコメントを書きたくなるし、現にそうしている。
あまり盲信的にならないように気をつけます。
それこそ、ここに湧いて出てきている、「思考停止で、なんでも称賛かつ脳ミソからっぽのカカシ君(しかもそのことに気付きもしない)」と同じになってしまうからね。
投稿: yama | 2009-09-29 11:28
>評論家って…
あのさぁ…、観た人の"価値"じゃなくて観た人の"権利"の問題でしょう。誰だってお金払って映画を観ている時点でその映画を批評する権利はあるんですよ。だって、どんなに酷い映画でもお金払って観て文句言えなかったらそれこそただのカツアゲでしょ。制作サイドだってこっちが金払って観なきゃ制作費回収できないわけだし。だいたい感じ方なんて十人十色だし、表現方法だってそうでしょ?。柳下さんの評論を読んで「やめとこう」と思う人もいれば「観てみたい」っていう人もいるんですから。それだけでも評論家の人達には価値があるでしょう。
それから制作者が自分の映画を客観的に批評できないから評論家の人達が存在するんですよ。
映画ってもんは観客からの評価で初めて面白さが決まるんでしょ?。制作者が自己満足で「面白い」とかほざいても観客の感じ方が十人十色でも、観客の多数が面白くないと思ったらその映画はダメって事でしょう。
投稿: ウーリー | 2009-09-29 13:13
>あなたが世界いや日本いや松本本人1人にでも納得してもらえる作品を作れることができなければ、それはただの子供の戯れごとの様な気がしてならないのです。
これって松本自身が大日本人の時に言ってたことだよね。クリエイターがそれを言っちゃあおしめえよ、っていう最低の捨て台詞。
投稿: foobar | 2009-10-04 00:17
松本ファンはしつこいてか…
【しんぼる】のとこにしかコメントが無いですね…
つまり、世間の人は「松本への批判」にはかなり関心がありつつも
「貴方自身への関心はゼロに近い」ってことです。
それを、「松本ファンは粘着質」だとすり替えてる。
そうじゃない! 貴方が無名過ぎて、松本ファンの動きだけが
妙に浮き上がってるんですよ。
貴方の発信するものにもっと世間が反応するなら、
松本ファンのコメントなんか目立たず気にもなりませんよ!
貴方がどこの誰だか知りませんが、
もう少し頑張れ!!
投稿: 委員長 | 2009-10-09 13:55
>貴方がどこの誰だか知りませんが、
もう少し頑張るのはオマエだ。
投稿: 少しは無知を恥じろよ | 2009-10-12 00:46
この流れに盛大に吹かせてもらったw
しんぼるはウンコだったがこっちの松本儲はまだ面白いなw
投稿: 通りすがり | 2009-10-13 01:32