東京国際ブックフェア
国際展示場の東京国際ブックフェアに行ってきた。実はこのブックフェアでお披露目の企画があるのだ。お目当てのみすず書房のブースは、白水社や岩波書店なんかと共に「人文書復権」の堅めのコーナーを作っているのだが、その一角に真っ赤な血まみれのポスターと異相のおっさんのデカいパネルがあるではないか!
かねてより予告していたアラン・ムーア作エディ・キャンベル画の『フロム・ヘル』邦訳版はあっと驚くみすず書房より10/10発売予定。なぜみすず書房から?という疑問は誰もが抱くだろうが、これすべて担当編集者の熱意のたまものである。こんなコーナーを作ってしまうくらいみすず書房的には力が入った企画であり、今後もお得な予約情報など告知される予定なので、みすず書房サイトをお見逃しなく。
本はまちがいなく傑作なので、できるだけ多くの人に手にとってもらいたいとひたすら願うのみである。たぶんSFファンには「『ウォッチメン』のアラン・ムーア」でいいんだろうし、翻訳文芸ファンに届くのはそんなに心配してない。気になっているのは、いちばん読んで欲しいミステリ・ファンと漫画読者で、この層に『フロム・ヘル』の凄さを伝えるにはどうしたらいいものか、なかなかに悩みが深いのだ。
ブックフェアの会場では白水社のサッカー編集者F氏と会って、ロベルト・ボラーニョの話をしたり、鬼が笑う来年の話をしたりする。
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コメント
はじめまして。
いつも楽しく読ませていただいております。
記事を見たので『フロム・ヘル』さっそく書店で予約してきました。
ところで『サンドマン』の邦訳はもう出ないのでしょうか。
投稿: 田舎者 | 2009-07-14 09:20
はじめまして。
とにかく楽しみにしております。
投稿: ziza | 2009-07-15 22:25
……みっ、みすず書房!?
捻じ込んだ(失礼)担当編集の方の情熱にも感服いたしますが、
なにか近刊情報を見る限りでは、そんなに無縁の土壌でもなかったんじゃないか?
と、こうして発刊の事実に付き合うと不思議なことに思えてしまいますね。
進行状況は知る由も有りませんが、まぁ細かいと有名な『フロム・ヘル』ですから、例えば眼精の疲労などでお体の具合を崩されませんように、祈念しております。
投稿: 冬の蠅 | 2009-07-20 19:31