ジュンク堂池袋店ではじまった映画芸術+nobodyのフェアだが、場所が変わって今度はジュンク堂新宿店。色紙も運ばれてきた。
おや? なんか一枚色紙に書かれている文字が変わっているような?
こういうのなんていうんだっけ? キジも鳴かずば撃たれまい、だっけ?
まあトラックバックも送ってこないようなものは無視しようと思っていたのだが、コメント欄でも書かれているので、一応返答しておく。第二次惑星開発委員会NEWSでは
「オレの中にある悪意はルサンチマンという言葉で表現されるものとはちょっと違うと思うな。」
…そうかなぁ?
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6/2(水)
わかったよ、オレは。要するに正義は向こう(行定&柴咲)にあるんだ。あいつらが世間というものであり、あいつらが正しいのが世の中というものなんだ。そして『世界の中心で、愛を叫ぶ』連中を見た瞬間に理由もなくムチャクチャにしてやりたい思いに駆られるオレは悪の側なんだ。
http://www.ltokyo.com/yanasita/diary/04061.html(リンク先訂正)
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とあり、宇野くんはどうやらこの一節がルサンチマンの表現だと思っているらしい。ひょっとして一人で『世界の中心で、愛を叫ぶ』を見に行ったらまわりがカップルばかりだったんで「きーっ!悔しいざます!」と頭にきたとでも思っているのだろうか? どう読んでもこれはたんなる世界に対する悪意の表現なのだよ。ぼくの暗い青春をあげつらいたいのなら、『愛は死より冷たい』(洋泉社)の前書きとか、『ヴァート』の解説とか、もっといい例があるから、そっちを読んだ方がいいよ。ウェブばかり読んでいるのではなくてね。
なぜか宇野くんは引用しそこねているんだが、このあとの部分で
今こそオレはジョーカーの気持ちがわかる。カエルを刺してしまうサソリの気持ちが分かる。オレは必ずやバットマンに退治されるだろう。でも、それがわかっていても、オレは戦いを挑まずにはいられないのだ。あいつらと同じ側にだけは死んでもいられない。
とぼくは自分をジョーカーになぞらえているのだが、ジョーカーってなんかルサンチマンを抱いていたっけ? 宇野くんはたしか『ダークナイト』を高く評価していたんじゃなかったっけ? その上でジョーカーはルサンチマンの産物だと言いたいのだろうか? さらにそのあとの「カエルを刺してしまうサソリの気持ちが分かる」というのが何からの引用かわかるだろうか? たぶん知らないと思うから書いておくが、これはオーソン・ウェルズの
『黒い罠』『ミスター・アーカディン(秘められた過去)』からの引用だよ。たぶんオーソン・ウェルズなど見ていないだろうと思うので、是非見た上で(すばらしい映画だからね)、あのオーソン・ウェルズの言葉がどうルサンチマンの表現なのかを論じてほしい。以上。
(オーソン・ウェルズの作品タイトルを記憶違いにつき訂正。6.11)
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