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2009-06-14

斜陽 (2009)

監督:秋原正俊 脚本・編集:落合雪恵 音楽:黒色すみれ 出演:佐藤江梨子、高橋ひとみ、温水洋一  公式サイト

 先日、なんの気になしにAV女優のその後とかを調べていたときのことである。白石ひとみって引退後ノイズ・ミュージシャンになったんだっけ? まだやってたの?とか考えてたんだけど、カエルカフェというCDレーベルをやっているらしい。で、そこのウェブページを見てみたら「カエルカフェシネマ」の名が。え、映画作ってるの? 気がつくとこんなに作品が並んでいた

 出演者が谷村美月堀北真希ガッツ石松! どうしてこんなメンバーが集められるのか。そもそもこんなキャストで映画が作られながら、まったく話題になってないのは何故なのか。なんか既存の映画界とはまったく別の論理で作られて流通しているような気がする。

 その新作がサトエリ主演、太宰治原作の『斜陽』だという。これは見ないわけにはいくまい。

 渋谷のTheater TSUTAYAに客は10人もいなかった。まあ通常の映画流通とは別の論理で作られているので……

 物語は戦後、没落した旧貴族の家の娘と母の物語。で、箸より重たいものを持ったことのない娘・サトエリがいろいろ辛酸をなめることになるわけだが、当然自主製作レベルの予算しかないカエルカフェシネマだけにセットも小道具も大きなものは作れない。可能なかぎりサトエリと高橋ひとみの会話を多くして家の中だけで物語が進んでゆく。それでもそこかしこにほころび出てくるが、まあそれはしょうがないよな……と思って見ていたのだが弟役の伊藤陽祐が出てきたら、ジーンズにTシャツ姿。え?と思うとサトエリが恋人にケータイメールを打ってる! え、これ現代の話だったの!? だったらこのサトエリの大時代な服装は!?!

 なぜかサイレント風の演出がされていたり、突然黒色すみれのPVがはじまったり、かと思うと「ギロチン、ギロチン、シュシュルルル」は活かされていたり、謎の多い映画だった。カエルカフェ、奥が深い。

 なお、脚本と編集を担当している「落合雪恵」こそ白石ひとみその人らしい。

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コメント

伊勢谷氏が出演する「人間失格」もあるし、太宰の映画化が流行っているのでしょうか
こっちは荒戸監督なので期待しているのですが

投稿: あ | 2009-06-15 07:52

生誕百年ですからね。ただ、『人間失格』については、朝日新聞の記事の中で角川歴彦が
「主人公はトラウマを抱える若者の走りだった。今の人はそこに共感している。かれは『エヴァンゲリオン』のシンジなんですね」
(結末について)「しかし、商業映画としてはそれで終わってはいけないんです。主人公が再生へと決意するところまでを描かないと」
などと語っているのを読んで、いささか、不安が……

投稿: garth | 2009-06-15 10:33

中央公論の、2009/2月号だったでしょうか…
パラ見の為うろ覚えなのですが、たしか、今年生誕百周年の作家には中島敦をはじめとして随分と大家が控えていて驚いていると
加藤典洋、関川夏央、高橋源一郎の御三方が対談で仰っていたような記憶があります。

他は大岡昇平、松本清張、埴谷雄高、花田清輝だったかなぁ……

投稿: 冬の蠅 | 2009-06-15 18:03

太宰治ネタなら劇場版『さよなら絶望先生』やればいいのに,まあ駄作確実なのですが(汗

投稿: デュード | 2009-06-15 21:12

柳下さんが秋原正俊監督のことをご存じないとは驚きです。
彼こそエクスプロイテーション映画製作者の末裔的な存在かと私は密かに注目しています。
“通常の映画流通とは別の論理で”おそらく自治体やご当地の映画館を丸め込んで、いや、連携して製作しているんではないでしょうか。
どのユーザーレビューでも笑ってしまうほど酷評されているのに、コンスタントに映画を発表し続ける秋原監督を、ぜひ、今後もフォローして、その人物・作品・興行の実態について紹介して頂けると幸いです。

投稿: DD | 2009-06-15 21:30

太宰といえば、
松たか子と浅野忠信で「ヴィヨンの妻」が映画化されますね。
松たか子で日本美人は悪くないし、脚本が田中陽造もいいですね。
ただ、監督がいまさら根岸吉太郎。
それに露骨にフジテレビ映画。
何か期待していいのか微妙ですね。
太宰の映画化難しいのかと思っていたら、こうも映画化ラッシュが続いていいものかと複雑です。

投稿: よしぼう | 2009-06-16 00:27

毎日新聞の奈良版にこんな記事が出ていて
▼映画:「斜陽」の秋原正俊監督「聖家族~大和路」を撮影--9月から /奈良
http://mainichi.jp/area/nara/news/20090617ddlk29200588000c.html
「?」と思っていたのですが、そういう人だったのですか。がんばってほしいですね。

投稿: 松永 | 2009-06-22 10:34

いつも楽しく読ませていただいてます。
実は「斜陽」を観てきました。しかし映画館の寒さよりも内容の寒さに耐え切れず、開始1時間ほどで出てしまったのです。後で残り10分ほどだったと知り、もう少し我慢すれば何か少しは楽しいオチでもあったのでは…と、ちょっぴり後悔しております。温水とサトエリがベッドイン(布団ですが)したあたりから、何かとんでもないオチがあったのかどうか、ぜひ教えてください!
ちなみに、ロケ地に住んでいる関係でチケットを人様からいただいた義理があって観に行ったのですが、わざわざ地方ロケしなきゃいけないような作品とは思えませんでした…

投稿: くりおね | 2009-06-27 07:41

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