ニコラス刑事 in バンコック・デンジャラス (2008)
これパン兄弟の98年作品のリメイクだったんだね。実物見るまでパン兄弟の映画だとは知らなかった。最近はすごい日本映画ばかり見ているが、世界の映画も同じくらいすごいということを教えてくれるのが怪しいタイ人監督パン兄弟。これはまちがいなくタイ版『レイン・フォール/雨の牙』だ! なんせヒロインの名前がタイ語で「雨」というのだ!
ニコラス刑事は話は一滴のミスも許されない命中率百パーセントの凄腕殺し屋。ひとつの町では殺しは四件と決め、四件終えると次の町へと旅立つのだ。バンコクの片隅に隠れ家を構えたニコラス刑事(役名はない)はひっそりと誰にも関わらないで暮らす。いつも孤独に一人飯、だがそれにももう慣れた。だがあまり孤独だと人間が空気になってしまうので、町に出て人を見なければならない…ってカメラ片手にソイ・カウボーイかなんかに出かけて写真パシャパシャやってるどう見てもただの観光客なニコラスさん。
ニコラスさん、たまたま怪我を負って薬局に行き、そこで聾唖者の店員に親切にされたもんでたちまち舞い上がって恋をする。でもタイ語喋れないし……とデートに誘いたいけど誘えないので店の前でうろうろしていたり。やっとデートに誘うと「タイ料理から~い」と苦笑い……いったいどこらへんが「堅気の人間とは関わらない」を家訓にしてる天涯孤独な殺し屋なのか小一時間問い詰めたい。
しまいに使いっ走りで仕事が終われば始末するはずだったチンピラを「目に自分と同じものを見たからだろうか…」とか言い出して弟子にする始末。バンコクの雑踏の中を歩きながら
「おい、赤い服の男が見えるか?」
「え、赤い服なんかいませんよ」
「よく見ろ。町には鏡もあれば窓もある。自分の後ろの目で見るんだ!」
『レインフォール』でもキッペーがハセキョーにわけわかんない殺し屋の心得を伝授していたこれもまったく同じ! ということはこの魅力のない聾唖のヒロインはタイのハセキョーのようなものなのでしょうか?(デート中ニコラスさんが強盗に襲われてあっという間に相手を撃ち殺すが、彼女の方は耳が聞こえないので後ろで起こっている惨劇に気づかないという場面はワロタ) これが日本で公開されるというなら、ぜひ『レインフォール』も「ゲイリー・オールドマン主演の殺し屋アクション」と銘打ってタイで公開して欲しい! そしてこの映画に金を払ってしまったオレの仇をタイ人から取ってくれ!
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