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2009-04-20

千里眼 キネシクス・アイ (2009)

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監督・脚本・編集 松岡圭祐 主演:奥田恵理華

 先日久しぶりにジュンク堂に行くと店頭に分厚い本が平積みになっていたのである。〈千里眼シリーズ〉十周年記念特別作品シネマ&ノベル 新作映画DVD付き! 書き下ろし最新作 。もちろん〈千里眼〉シリーズなんてこれまで一ページも読んだことない。だけど「新作映画見ろ~ 見ろ~」という声がどこからか聞こえてきたので、しかたなく買ったわけである。で、撮り下ろし映画見たんだけど、なに、これ……

 自衛隊初の女性戦闘機パイロット「イーグル・ドライバー」の岬美由紀は待機中に命令を無視して勝手に人命救助のためにヘリを飛ばして軍法会議にかけられる。こんな自衛隊やめてやらあ、と辞表を叩きつけた美由紀は臨床心理士に転身、パイロットとして鍛えた優れた動体視力のおかげで表情のわずかな変化から内心を完璧に読み取る「千里眼」となったのだ(千里眼は松岡圭祐事務所の登録商標です)。

 折しも無人のステルス戦闘機F117の編隊が各国の戦闘機を撃墜してまわる謎の事件が発生していた。日本最大のコングロマリット泰銘コンツェルン総裁の記者会見をテレビで見ていた美由紀は、総裁が嘘をついており、本日ただいま東京をステルス戦闘機が襲うことを知る。

 すぐさまアストン・マーティンを飛ばして百里基地に向かった美由紀は滑走路に侵入。ミニスカにタンクトップ一枚の姿で停まっていたF15に飛び乗ると迎撃に飛び立つ。お台場上空で三機のステルスと空中戦を演じ、見事一人の死者も出さずに撃墜した美由紀は黒幕の泰銘総帥の別荘(防府市自由が丘)に乗り込む。そこで美由紀はノン=クオリアと名乗る宗教団体による人類滅亡の陰謀を知るのだった。 ちなみにノン=クオリアとは「クオリアなんてねーよ!」と信じるアンチ茂木派の物質主義者集団のことである。しまったオレもノン=クオリアの仲間か! 泰銘総帥の別荘はSECOM入ってるにもかかわらず、裏口に鍵をかけわすれていて簡単に侵入されてしまうのには笑った。

 まあストーリーとかCGとかはしょうがないんだけど、松岡圭祐の編集が原田眞人映画をも超えるカチャカチャ編集で、なんせ二人の人物が喋っている場面で一人のセリフの中だけで五カットくらいつないでたりするんで、ほとんどポケモンフラッシュレベル。

 ちなみに小説も読んだけど映画はエピソード0なんですね。ものすごいハイテクを持ってるくせに作戦がどうしようもなくショボいノン=クオリアは今回はヨウ化銀の雨を降らせて日本沈没させるという怖ろしい陰謀をたくらんでいたよ。で、読んでたら登場人物の一人が気象予報士は当たらなくても責任とらないんだからいい商売だ、と言ったあとに「こんなに図々しい仕事はほかに、占い師と映画評論家ぐらいしか考えられない」とか言ってたよ!

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コメント

ノン=クオリア団志願受付所はこちらですか?

投稿: 山形 | 2009-04-21 13:29

ホムペ行ったら上映館がなかったので、
劇場で公開せずにDVDスルーになったようですね。
http://www.senrigan.net/kinesics/index.html

これは最初からDVDスルーを目的としたVシネマだったのかな?
予告編を見ると、もしかすると劇場公開を目的として作ったけどお蔵入りでDVDスルーになったのかとも思いましたが。

投稿: 通りすが郎 | 2009-04-24 11:46

劇場公開できるクオリティではないですね。
まあ最近はそこら辺も怪しいもんですが(シネマートでレイトとかなら……)。

投稿: garth | 2009-04-24 12:04

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