« Star of David: Hunting for Beautiful Girls | トップページ | 60年代まぼろしの官能女優たち »

2009-03-13

アラン・ムーア、ラファティを剽窃する

 3/20発売の映画秘宝2009年5月号で『ウォッチメン』公開記念〈『ウォッチメン』とアラン・ムーアの世界〉という特集をやるので、いくつか原稿を書いた。たぶん『ウォッチメン』絡みでアラン・ムーアの特集をするような媒体は他にあるまいと思われるので、是非ともお目通しいただきたし。ここでは原稿にするでもない駄ネタをひとつ。

 特集のためにインタビュー本を読んでいたのだが、その中に気になる一節があった。

「Aberard Snazzを書いてたときに『そうだな、アベラードを確率計算やら掛け率やらいじくってるカジノに行かせるか』と思いついたんだ。それで奴が確率を操作する機械をカジノに持ちこんでズルをして勝つんだけど、最後にクローク係と勝負したらそいつが同じような機械を使っていて全部スってしまうという話を書いた。で、書き終えて有頂天だったんだが……しばらくしてR・A・ラファティの短編集を読んでいたとき、突然気づいてゾッとしたんだ。あのアイデアはパクリだったって!……もちろんオレは告白して謝罪してその回は絶版にした。なんせ元のラファティの話の方がずっとうまく書けていたし」

 締め切りに追われて無意識のうちにアイデアをパクってしまったって話なんだが、まさに弘法も筆の誤り。「もう二、三日あったら思い出してたはずなのに!」と悔やんでいるが、まあこれはしょうがないよね。そのあとの態度はやっぱり立派な人である。もって範としたいものだ。ちなみにここでムーアがパクったって告白してるラファティなのだが、たぶん『宇宙舟歌』のルーレッテンヴェルトのエピソードだと思われる。ムーアは実はすごいSFファンなので、インタビュー読んでるといろいろこういうネタが出てくる。

|

« Star of David: Hunting for Beautiful Girls | トップページ | 60年代まぼろしの官能女優たち »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: アラン・ムーア、ラファティを剽窃する:

« Star of David: Hunting for Beautiful Girls | トップページ | 60年代まぼろしの官能女優たち »