裸身の裏側 ふしだらな愛 (2008)
監督:吉行由実 出演:Amu、結城リナ、若林美保
PG
吾郎と高校時代からつきあっていた恋人がアメリカに旅立ったが、そこへ飛行機事故のニュースが入る。彼女が死んでから三年後、吾郎は彼女とそっくりな女性に出会う……
……というわけで、吉行由実監督の新作は韓流、というか「冬ソナ」オマージュだそうで、あの手のありえないメロドラマが展開する。韓流メロ自体は ピンク映画と相性も悪くなかろうと思われるのだが、残念ながらもうひとつ盛り上がらない。二人で思い出の地に行くところなんかはそれ風で悪くないのだが、シナリオ的にはネタばらしが早すぎるのではなかろうか(もしくはどんでん返しが足りない)。あと、二人が再会のキスをするところはデ・パルマ調360度パンじゃないと。 なぜかロフトプラスワンロケ作品
同時上映は「平沢里菜子の『テオレマ』」とでも題したい『中川准教授の淫びな日々』。平穏な家庭生活を送っていた大学教員のところへ昔捨てた恋人の娘(平沢里菜子)がやってきて、復讐のために一家をメチャメチャにしてしまうというストーリー。もうアテ書きか?と言いたくなるような平沢里菜子は素晴らしいのだが、ストーリーはもうひとつ納得しかねる。これ、まず平沢里菜子が准教授を誘惑し、娘を抱いてしまった罪悪感から男が言われるがままに破滅していく、という流れでなければなるまいと思われるのだが、最後まで近親相姦にはいかないのだ。おそらく映倫に却下されたんだろうね。でもそれならそれで、平沢里菜子が嘘ばっか言っていて、本当に娘かどうかわからない、と いう話にすればいいものを。
なお、『裸身の裏側〜』は正月をはさんで1/8(木)まで続映。12/30 (火)3:00PM〜には上野オークラで吉行監督とAmuの舞台挨拶もあるそうです。みなさまふるってどうぞ。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
『中川准教授の淫びな日々』
ラストシーンの二人の笑みは、大学も家族も捨てた先生と平沢さんとの『夢の近親相姦の日々』を暗示しているように思いました。
投稿: sakichi | 2008-12-27 15:49
>『夢の近親相姦の日々』を暗示している
もちろんそういうことなんでしょうが、それは最終結論ではなくて、物語の原動力になるべきではないか、ということですね。
あのストーリーだと、別に平沢里菜子に言われるがままに傍観してただ破滅していく理由がないように思うんです。どこかで弱みを握られるとかじゃないと。
投稿: garth | 2008-12-27 16:02
ファンです。お仕事頑張って下さい。
投稿: つとむ | 2008-12-28 15:25