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2008-06-26

明治・大正・昭和・平成 実録殺人事件がわかる本

Murderwatcher 以前より予告しておりました殺人ムックMurder Watcher第一号『明治・大正・昭和・平成 実録殺人事件がわかる本』がようやく完成。洋泉社より発売になります。

二大特集は平山夢明先生の書き下ろしエッセイもある「津山30人殺しの70年」と駕籠真太郎の書き下ろし漫画&本田透の長編評論という豪 華版でお送りする「ヴァージニア工科大学銃乱射事件」さらに菅賀江留郎(少年犯罪データベース)、高橋ユキ(霞っ子クラブ)、町山智浩、深町秋生、井 土紀州ら豪華メンバーが大集結。執筆者がみんな「銃があったらオレだってやってた……」って感想を洩らす人ばっかり! どうい う本だこれは!

ちなみにぼくが書いたのは都井睦雄の墓参りレポートとシリーズ・殺人風土記の第一回「山陽~岡山・広島編」。今後、日本中をまわって過去の犯罪を発掘していくつもり。あなたの町にも行くかもしれませんよ!

世界の黒沢清も読んでいるMurder Watcher、ご自宅にも一冊どうぞ!

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ORANGING '79 (1979)

監督・脚本・撮影:今関あきよし 主演:三留まゆみ

フィルムセンター小ホールで「ぴあフィルムフェスティバルの軌跡」という特集上映がおこなわれているのだが、そこでなんと 『ORANGING'79』が!これを文芸坐ル・ピリエで見たのはいったいいつのことだろうか。上京してきてからだから、1982年以降であるのはまちが いないのだが。『フルーツ・バスケット』と一緒に見たのかな?

ほぼ30年ぶりに見る『ORANGING'79』だが、としまえんで遊ぶ三留まゆみ! 踊る三留まゆみ! 並木座に行く三留まゆみ! 水着の三留 まゆみ! と三留まゆみづくし。当時日本中の童貞少年に三留萌えを流行らせた映画だが、破壊力は健在というべきか。まあしかしいちばん怖ろしいのは三留まゆみ が30年たっても少しも変わっていないということだろうね。

いまだ三留まゆみの魔力を知らない人のために、エンディングだけ貼っておこう!

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2008-06-22

温泉サギ師~湯けむり、グルメ、やっちゃうからあ!(1986)

1 監督:鈴木則文 出演:萩原健一、佐藤浩市、萬田久子

「温泉みみず芸者」「温泉スッポン芸者」に続く鈴木則文監督の温泉シリーズ第三弾はショーケン+佐藤浩市の「温泉サギ師」。86年の大晦日に、紅白歌合戦の裏番組として TBS系で放映された底抜けTVドラマ。以前から見たいと思っていたのだが、ファミリー劇場で放映されたのを頼んで録画してもらう。個人的には、これをもって今回 の則文特集の〆とする。

 ショーケンと佐藤浩市のダメ詐欺師コンビが温泉街で一働きしようとしたところ、自殺しようとしてた萬田久子に会って……という話なのだが、ほとん どただのバラエティショーでやりたい放題。いきなり吐きけがするとサルトル『嘔吐』が写るとか、ショーケンと佐藤浩市の名前がそれぞれ阿南と森(この年の 日本シリーズは広島vs西武!)だとか。

「二人とももうルビコンを渡ったのよ!」
「いえぼくロリコンじゃないですから」

「相変わらずケチな商売してるなあ、スティービー・ワンダー!」
(ここには書けないギャグ)

CCB! 塩沢トキ! ポール牧! シスター!

 ロケは修善寺温泉から熱海。ちゃんと観光映画になっており、最後は画面の向こうから二人が視聴者に向かって「あけましておめでとうございます!」と挨拶しておしまい。アジアの正月映画はやっぱこれだね!

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文学賞殺人事件 大いなる助走 (1989)

Oinaru 監督:鈴木則文 出演:佐藤浩市 シネマヴェーラ渋谷にて。

 鈴木則文祭り最終日。やはり最後に「大いなる助走・完」と出て全上映が終了というのは堪えられんなあ……と思ったので最終日最終回を見に行くこ とにした。まあもう何度も見てる映画だし……と思っていたのだが、見始めたらもうおもしろくておもしろくてしょうがなかった。素晴らしくテンポが良く、石 橋蓮司のねっとりしたイヤミっぷりに腹を抱えているうちにとんとん拍子で物語が進んでゆく。今やこれだけ芸達者な脇役が揃っているのを見るだけでもすでに 眼福。出てくる女の子がみんなちゃんと脱ぐのもポイント高い。甲斐えつ子がたいへん美乳で良かったですね。最近、何してるんだろう?

 鈴木則文映画はいつもそうなんだけど、これも元気になる、というか明日に向かうモチベーションを与えてくれる映画だった。

「われわれのしていることは社会から見ればそもそもまだ何もしていないと同じであり、せいぜい何かをするための準備に過ぎないのではないか。そし てほとんどはそのままに終わってしまうのだ。跳躍台なきわれらが永遠の助走、呼び出されることなきこの大いなる待機が、はたして何の役に立っているのか」

まあぼくの仕事など、なんの役にも立たないと思いますが、でもやるんだよね!

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2008-06-21

神様のパズル (2008)

監督:三池崇史 脚本:NAKA雅MURA 公式サイト

なんだこれ。

ぼくは原作は読んでないわけですが、絶対にこんな話ではないことだけはわかる(笑)。なんつーか、三池崇史とNAKA雅MURA(脚本)が原作を 読んで、「わかんねーYO! 理屈ばっかぐちゃぐちゃ言ってんじゃねえよ! 数学できんで何が悪いとや!」と勢いだけで脚本書いてみたという感じだ。谷村 美月の巨乳にごまかされがちだが、キャストは異常に安い。とくにマドンナ役の松本莉緒って何あれ。

まあ無駄に勢いだけはあったんで、そんなにつまらなくはなかった(ていうか三池はちゃんと作れば作るほど駄目だからね)。やたら女の子が濡れまくる映画でした。別に濡れなくていい女性まで濡れる。

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2008-06-19

デスペア~光明への旅 (1978)

Despair_2_einh 監督:ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー 脚本:トム・ストッパード 原作:ウラジミール・ナボコフ ドイツ文化センターライナー・ヴェルナー・ファスビンダー映画祭2008にて。

 ナボコフ原作、ファスビンダー監督というオレ的には夢の一本。ビデオでは見ているけれど、ようやくスクリーンで見ることができて大感動。

 これ、原作を読んでいる人はご存じのとおり、主人公の亡命ロシア人である「私」が、退屈な日常と愚かな妻にうんざりしているところで自分にそっくりの男と出会い、自分の身代わりにそいつを殺そうと考えるという物語である。ナボコフお得意の分身テーマに「信用できない語り手」が加わり、きわめて眩惑的な物語が構築される。ファスビンダーがこの物語をどう処理したかというと、もちろん鏡とガラス。自宅は家の中にすりガラスの迷宮ができており、主人公(ダーク・ボガード)はつねにガラスごしに人と言葉を交わす。決して人と直接目を合わさず、一枚皮膜をはさんだ向こうから現実を見つめている。主人公はまったく現実が見えていないので(そのせいでとんでもない結末にいたるのだが)それがガラスの迷宮として表現されているのだ。

 美術は超絶的で、主人公のオフィスには、中に秘書が入るガラス張りのキュービクルがある。まったく意味不明ながらすごい、超現実主義もきわまれりという感じ。そんな物語なので主人公にはまったく感情移入ができず、あまり受けなかったというのもわからないでもないけれど、映画としては本当に素晴らしいなあ。

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2008-06-10

〈新しい太陽の書〉読本

 早川書房に出かけて打ち合わせ。ジーン・ウルフの『新しい太陽のウールス』の8/22発売にあわせ、8/25発売のS-Fマガジン 10月号で〈新しい太陽の書〉特集をやることになったのだ。題して〈新しい太陽の書〉読本。中では〈新しい太陽の書〉の外伝的な(ウールスを舞台にした)短編などを翻訳する予定。詳細については追って。

 その後洋泉社に出かけてかねてより構想中の殺人ムックMurder Watcherの表紙撮影を見物。なかなかいい感じになりそうだった。さる雑誌の表紙のパロディなのだが、なんのパロディなのかわかる人はいるのだろうか? こっちは来月には発売予定なので乞うご期待。

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2008-06-09

すいばれ一家 男になりたい (1971)

2222 監督:鈴木則文 主演:山城新伍 シネマヴェーラ渋谷にて。

 多くの人の協力を得てついに実現した『すいばれ一家 男になりたい』ニュープリント上映。個人的にはこうやってファンの力でニュープリントを焼くことは必ずしも正しいこととは思わないんだけど、そうであろうと時にはやらずにはいられないときもある。矛盾しているけど、人間とはそういうものだ。

 本作は山城新伍の初主演作。なんせ監督御自身も初号以来一度も見ていないという幻の作品なので、いったいどんなものが出てくるのか戦々恐々だったのだが、かなりとんでもない映画だった。アナーキーな単発ギャグの積み重ねで、幻の傑作というよりは怪作というべきかもしれないが、やはり大いに笑う。宮園純子の「固めの杯」というギャグが強烈で、監督は「(宮園は)艶技が下手だから」とおっしゃっていたが、あまりエロ映画に出る女優ではないというだけでもう感動。よくこんな役やったなあ。あと、小池朝雄の寝室のセットがまるでブニュエルの映画のようですごかった。

 打ち上げでは中原昌也の二代目山城新伍(勝手に)襲名と内藤館主の東映買収計画が決定。あと、九月の金沢映画祭にちょっとばかり手を貸すことになった。金沢、すごいことになりそうだから、みんな行きましょう!

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2008-06-07

Bohachi Bushido: Code of the Forgotten Eight (1973)

5161vee8qcl_sl500_aa240_  石井輝男監督丹波哲郎主演『ポルノ時代劇 亡八武士道』が米国DiscotekからDVD化。日本でもDVDは出ていますがアメリカ版は特典満載。ひし美ゆり子、杉作J太郎のインタビューの他、杉作J太郎+中野貴雄のかなりアナーキーな音声解説、原作漫画が一部収録というわりとフリーダムな仕様になっております。ぼくはプロデューサーのMarc Walkowに頼まれてひし美ゆり子のインタビューをしたほか、音声解説にも出演を依頼されたのでそこは……と辞退してかわりに中野貴雄を送りこむなど、特典のレベルアップに大いに貢献した自負しております。いや、ぼくが辞退したおかげで音声解説がだいぶおもしろくなったのはまちがいないのですが、これがアメリカでどのように受け止められのかは大いに不安。

 ちなみにぼくの本当の仕事はこのあと出るはずの『堕靡泥の星 美少女狩り』の方なんだけど、はたしていつになるかは……

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2008-06-05

コレラの時代の愛 (2007)

Img_1089238_51484995_1 監督:マイク・ニューウェル 原作:ガブリエル・ガルシア=マルケス 出演:ハビエル・バルデム 公式サイト 8月公開

 フェルミーナの心変わりの理由は原作にもはっきり書いてあるわけではないんだけど、この映画だと、文通していたころはイケメン少年だったのに、大人になって再会してみたらキモいハビエル・バルデムになっていたので「あー、恋してると思ってたけど、手紙と現物は違うわね」と振ってしまったかのように見える。ハビエル・バルデムが演じているだけで見事なキモメン映画になってしまった。アカデミー賞取ってもキモメン。現実は厳しい。

 これはつまり恋するというのは病気にかかるようなものであり、まともなことではないのだと主張する物語なのだ。だから「恋のことしか考えない」フロレンティーノ(ハビエル・バルデム)は実はただの異常者なのであり、そのことに気づいたからフェルミーナはフロレンティーノを捨てるのだ。でも、映画にすると、普通にロマンチックな物語としても見れてしまう。いっそのことウルビーノ医師の話はばっさりカットして、幻想の恋愛生活に生きるフロレンティーノの話だけで映画にしてしまっても良かったかもね。その方が、最後の「きみに純潔を守りとおしたよ」のセリフが生きたかもしれない。

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2008-06-02

トリコン!!! リターンズ (2008)

 横浜の万国橋ビルまで佐々木浩久監督の新作『トリコン!!! リターンズ』の撮影現場を見学に行く。前作はイケメン三人がやってる探偵事務所の話だというので、個人的にはまったく興味皆無で、長いつきあいの佐々木監督作品だというのにスルーしてしまった。でも今回は三輪ひとみがゲスト出演と聞いて現場に遊びに。オレって本当に現金。

 今回、三輪さんはハードボイルド映画の悪女役ということで、『チャイナタウン』のフェイ・ダナウェイみたいなものかな。ともかくえらく美人さんになっていて、これまでの出演作でも最高ではないかというくらいきれい。思わずモニターに見とれてしまった。なんか今風のイケメンたちと並ぶと、一人違う映画に出ているのではないかという感じの演技がおかしい。今こそ三輪ひとみ主演の和製ゴシック・ホラーを作るべきだ!と(何度目かわからないが)強く主張する。

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