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2008-05-27

世界三大麻雀漫画

 岡山の古本屋をのぞいていたら、ブックオフ系の郊外古書店にサンケイコミックス版の『カラテ地獄変』(梶原一騎+中条健)が全巻揃いであるのを発見。実に定価\390以下の本はすべて\170というたいへんアバウトな値付けだったため、これは!と重たい荷物を抱えて帰ることに。この漫画、つまりは大山倍達の束縛から逃れたいとあがき、だが何度逃げようとも最後は恐ろしい父の元に戻っていく梶原一騎の物語としても読むことができる(というか、そうとしか読めない)。ダーク大山倍達とも言うべき大東徹源がおもしろすぎるのだが、中でも最高なのはこれ。

Karate_3Jango02Jango03  

 何者なのだ大東徹源。で、『カラテ地獄変』の隣を見たら、『新・麻雀伝説 風の雀吾』(みやぞえ郁雄+志村裕次)が上下巻揃いであるじゃないか! 以前下巻だけまんだらけで拾って、そのままになっていたものがついに揃った。知らない人のために説明すると、これは世界三大麻雀漫画のひとつとしてつとに有名な超能力麻雀漫画である。ちなみにあとのふたつは『バード 砂漠の勝負師』(青山広美)と『ノーマーク爆牌党』(片山まさゆき)。『アカギ』も『哭きの竜』も遠く及ばないトップ3(オレが決めた)。

『風の雀吾』は麻雀界の刷新を目指す夜叉連合と、彼らに父親を殺された復讐を誓う榊雀吾の麻雀対決漫画なのだが、夜叉連合の十二人の雀戦鬼たちが駆使する雀神技がすごすぎる。第三の雀神技「精霊陣」は、「まわりの木々や草花に潜む精霊があなたの手牌を教えてくれるのです」ってそれ通しなんじゃ……第七の雀神技「白魔陣」は精神能力で相手の目に映る手牌をすべて白に変えてしまう……もはや麻雀のテクニックでもなんでもない。雀戦鬼たちのリーダー、イケメンの無天児の使う「太陽陣」は太陽のエネルギーを自分のものに変える。無天児が太陽陣のエネルギーを最大にするために太陽を地球に引き寄せると、地上は灼熱地獄と化し、オーラスを待たずして雀吾は焼き殺される……ってそれ麻雀で勝ってないだろ!
Jango01_3  こんな恐ろしい漫画のくせに、雀戦鬼たちが妙にすがすがしく、彼らの言葉が胸に響くところがまたいい。無天児の

 考えてみろ、今の麻雀界に俺達若者が理想に燃える場があるというのか! ただ一時の快楽に溺れ、精神を磨滅し、二度と帰らぬ時間をただ流されるまま無意味に送っている、それが今の麻雀界の姿なのだ!

なる台詞に深く心を打たれつつ、無為な日々を過ごして精神を摩滅していた学生時代を思い出すのである。

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2008-05-26

世界の電波男

514fyq1ywyl_ss500_ 〈映画秘宝〉の連載書評でも書いたように、本田透の『世界の電波男』(三才ブックス)は感動的な力作なのだが、ひとつだけ不満がある。p.23欄外の注だ。

※柳下毅一郎先生
筆者にとってのオビ・ワンにあたる偉い人で一生頭が上がりません。冬は黒ずくめの男というイメージがあるが、夏はなぜかアロハシャツみたいな派手な柄ものを着込んでいる。2006年に秋葉原で転倒して腕を骨折したが、道行くオタクたちが「うわあキモいおっさんプギャー」とバカにして誰も助けなかったので以後オタク嫌いになり僕もあんまり相手してもらえなくなった気が。

 ……たしかに最近会ってなかったけど、それはきみが売れっ子になって忙しくなったからではないか! と思ったけどこんなこと言われっぱなしなのも癪なので、久しぶりに連絡をとって飯を食いに行った。最近とんとうとくなっているオタク界の事情取材も兼ねて。大久保の羊串屋でひとしきり飲み食いして大いに笑う。最近は努力も特訓もなくて、戦ってる女の子を見てるだけでいいらしい。やっぱり特訓は欲しいんだがなあ。そういう考え方はもう古いのだろうか。映画に特訓を!
 本田君が飲まないので一人でマッコリをぐびぐび飲んでいたらしこたま酔う。

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2008-05-24

津山事件七〇周年


  R.I.P. Mutsuo Toi 
  Originally uploaded by Garth Yanashita.

 津山事件(都井睦雄の津山三十人殺し)があったのは昭和十三年五月二一日のこと。つまり今年は事件の七十周年にあたる。そこで久しぶりに津山の現場に行ってきた。前回行ったのは七年前になる。週刊朝日にも事件の生存者のインタビューが載ったほどで、局所的に七〇年ぶりのにぎわいを見せている中、やはり行かないわけにはいくまいということだったのだが、貝尾に近づくとカーナビが効かなくなってしまうのがなんとも。どうもこの地だけは行ってはいけないところのような気がしてしょうがない。

 今回はようよう判明した都井睦雄の墓参りもかねている。場所はここに書くわけにはいかないが、貝尾集落の事件現場からはおよそ十五キロほど離れた山の中である。睦やんの墓には墓石もなく、墓標がわりに石がひとつ置いてあるだけだった。詳しいレポートは六月頃に洋泉社より出るムック、Murder Watcherに載る予定ですので、お楽しみに。

 帰りには最近津山名物として売り出し中らしきホルモンうどんを食べてきた。プチプチのホルモンとキャベツをいためた焼きうどんなのだが、これがたいへんうまい。津山でホルモンというのもまた……

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2008-05-21

ボスニア内戦

51o54giujol_sl500_aa240_ 朝日新聞の書評を見て購入した佐原徹哉『ボスニア内戦』(有志舎)を読む。ボスニア内戦の原因とその経緯について、すばらしくよく調べられ、簡潔にまとめられた好著。著者、ぼくと同い年なんだなあ。これを読んでしみじみ思ったのは、人間はいかに愚かなのかということである。人間は愚かで進歩を知らない生き物だ。こんな一節がある。

ジラスが村に入ると、頭を後ろから撃ち抜かれた二人の農夫の遺体が大きな梨の木の下に横たわっていた。そこでは他に六人が殺され遺体は運び去られていたが、幾つもの黒ずんだ血跡が草の上に残っていた。さらに進むと、道の真ん中に二〇人程の遺体が山になっていた。成人男性の遺体は二つしかなく残りは女性と子供たちだった。近くにはまだ温もりが残る揺りかごが転がっており、頭部を砕かれた嬰児の死体が傍らにあった。赤ん坊の左側には胸部を叩き潰され腹部がぷっくりと膨らんだ女の子の遺体があった……

 これはスレブレニツァでのセルビア人によるボスニア人虐殺を描 写した文章ではない。一九四一年、ウスタシャと呼ばれたクロアチア民族主義者たちによるセルビア人虐殺について書いたものである。第二次世界大戦中、ドイツと結託したウスタシャはセルビア人に対する猛烈な迫害をおこなった。セルビア人過激派チェトニクもまた、負けじとテロと残虐行為で応酬した。これだけの残虐行為を繰り返せば、さすがに人間、少しは利口になろうというものだ。だからこそチトー率いる新生ユーゴスラヴィアは過去の反省にのっとり、反民族主義による国民の融合をはかったのだ。だが、クロアチア大統領トゥジマン、セルビア大統領ミロシェヴィッチらが権力奪取のために反連邦主義、民族主義を煽りたてると、五十年間の聡明なるチトー主義の薫陶はもろくも崩れ去り、人々は血で血を洗う殺し合いをはじめる。

 人間は進歩しない。人は過ちをくりかえす。佐原はまず、ミロシェヴィッチの大セルビア主義が戦争と民族浄化の主因だとする国連などによる公式見解を排する。残虐行為も民族浄化もセルビア人の専売特許ではなく、三民族は競い合って残虐行為をくりひろげた。
 そもそもミロシェヴィッチもトゥジマンも権力志向のオポチュニストであり、民族主義はたまたま権力奪取に有効だったから採用されたに過ぎないのだし、内戦の過程は大いに偶然に左右された。内戦はそれぞれの民族主義ゆえに起こったわけではない。問題はむしろ彼らが共通に抱いていたジェノサイドへの恐怖と被害者意識だった。民族主義のイデオローグたちはこぞって自民族こそが歴史的に被害者だったと主張した。セルビア人もクロアチア人もボスニア人(ムスリム)も。被害者意識から生まれるジェノサイドへの恐怖から、彼らは他民族を迫害したのである。

 つまり、ボスニア内戦を戦った三つの集団は同じ文化のなかで育った人々であり、身につけた文化に規定された行動をとっていたのである。彼らは同じ言語を話し、同じメディアを受容し、同一の教育制度の中で育成され、同じ消費文化を享受し、そして、何よりも同じ体制下で七〇年以上も共に暮らしてきたのである。彼らが共通の経験をもとに類似した価値観を持っていたとしても何ら驚くべきことではない……ボスニア内戦は、異なる価値観を持つ民族集団同士の「殺し合い」ではなく、同じ価値観と行動規範を持つ「市民」が混乱状態のなかで、互いの中に他者を見いだそうとした現象であった。そして、このことがボスニア内戦のもつ現代的意味であろう。

 それこそ、我々がこの悲劇から(そしてルワンダの悲劇から)くみ取らねばならない教訓である。人間は愚かで、進歩しない生き物なのであり、いかな文明も教育も蛮行を食い止めることはできなかった。

 家族や友人を守るといった具体的な対象があるならまだしも、「国」のためなり、「民族」のためなりに命を捧げるという曖昧な「正義感」はとてつもなく危険なものである。自分の命を大切にしない者は、他人の命など虫けらほどにも思わないからだ。

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2008-05-17

最終凶器・鈴木則文の再降臨

2222 シネマヴェーラ渋谷にておこなわれる鈴木則文監督特集第二弾『最終凶器・鈴木則文の再降臨』にて鈴木則文監督トークのお相手を務めさせていただきます。

 5月31日(土) 17:30~ 鈴木則文監督×柳下毅一郎(映画評論家)

 ちなみに当日の上映作品は『大阪ど根性物語 どえらい奴』と『温泉スッポン芸者』。『温泉スッポン芸者』はニュープリント上映です。今回の特集では有志による寄付で復活した幻の任侠映画パロディ『すいばれ一家 男になりたい』をはじめニュープリント作品が多数上映されますので、みなさま是非。なお、トークショーは毎週土曜日におこなわれることになっています。

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2008-05-16

ひぐらしのく頃に (2008)


  屑映画撲滅祈願 
  Originally uploaded by Garth Yanashita.

監督・脚本:及川中 出演:前田公輝、飛鳥凛、松山愛里 公式サイト

 ちかごろの若い人たちはみんなこのゲームをプレイしては鉈で斬り合っているのだという。なんか知らないが、おもしろいことになっているようなので、映画が来るのをきっかけに講談社BOX版を二冊読んでみた……え、これ全体の八分の一なの!? 最近のオタクはみんなしてこんな代物を延々と読みつづけてるわけ!? これが「ゼロ年代の記念碑的一大ムーブメント」なのだとしたら、ゼロ年代ってみんな脳死してるとしか言いようがないね!(ぼくがこの“小説”と最悪の出会い方をしていることくらいはわかっている。しかし、ゲームだったら絶対に前半で放り出しているね)

 さて、映画の方だが、予想通りにダメ小説をそのまま映画化した普通のダメ映画。物語前半部分のまったり世界がないので、ごく普通の駄目ホラーでしかない。最後は圭一くんが「全部わかった……」と言ってがくっと倒れるんだけど、「こっちは何もわからねえよ!」と思った瞬間「映画版続編、企画中!」の文字が出るという……勝手にしてくれよ。

 唯一斬新だと思ったのは、同級生たちの変な語尾が(「かな? かな?」とくりかえすとか)が萌えでもなんでもなくて、単なるキチガイ台詞になっているという点。普通ああいう言葉使いで喋る人がいたら、頭の弱い人だもんなあ。そういう意味では原作ファンの期待は裏切っているのかもしれないが、ぼくにはゼロ年代のことはよくわからないので……劇場はガラガラだったが。

 前売り券購入特典で古手神社の絵馬がついてきたので、「この世からクズ映画が一本でも減りますように」と願をかけてきた。

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2008-05-14

隠し砦の三悪人 (2008)

 重たい腰をあげて見に行ったが、休憩時間に流れている主題歌を聴いた段階ですでに死亡。これはなんかのギャグなのか!?

 別に黒澤版と同じものを作れとは言わないが、オリジナルからの改変部分があまりに幼稚で泣けてきた。なんでこんな幼稚な映画しか作れないのか。しかもパクリ(これをオマージュとは言うまい)。独自要素はすべて『ロード・オブ・ザ・リング』と『スター・ウォーズ』からのパクリ(音楽までハワード・ショア風)。何が悲しくてダースベーダーを出さなければならないのか。大画面で『スター・ウォーズ』ごっこをするのが樋口の夢だったのか。だとしたらあまりに志が低すぎる。

 阿部ちゃんはまともな監督につけばちゃんと殺陣もできそうだった。だが刀がぶつかりあったところにCGで火花を足せば格好良くなると思ってるような監督ではなあ。宝の持ち腐れとしか言いようがない。

『どろろ』もそうなんだけど、要するに今の映画の作り手にとっては時代劇っていうのはすでにファンタジー世界なんだろうね。だからこういう幼稚きわまりない「戦国世界」が作れてしまうんだろうな。でも、残念ながらぼくは日本人なので、本物の時代劇の世界もちょっとは知っているのだ。

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2008-05-13

その日のまえに (2008)

Before the Day

 重松清原作、大林宣彦監督作品『その日のまえ
に』のロケにエキストラとして参加してきた。撮影現場はなんと下妻。下妻駅朝8時40分と言われ、ありえない……と思いながらもつくばエクスプレスのおかげで都内へのアクセスが大幅に時間短縮されたロリィタとヤンキーの街へ出かける。行ってびっくり、あの映画以上に見事に何もなく、ロリィタはおろかヤンキーすらいない。駅にあったのは『下妻物語』のロケ地ガイドだけだった。しかしこれ見て「ジャスコ下妻店」に出かける人はいるのだろうか!?

 真冬という設定なので、一度片づけたセーターを引っ張り出していったのだが、茨城はひどく寒く、季節はずれの衣装がまったく季節はずれでなくなってしまった。ずっと撮影を見学していたのだが、やはり大林組はすごい。『22才の別れ』のときにも感嘆したのだが、大林宣彦はカメラを動かしながら人を動かし、車両を動かしてタイミングを合わせる……みたいなタイミング命のテクニカルな撮影を平然とやってしまう監督である。今回もごく平然とものすごく面倒くさそうな撮影をやっていて、まあ技術スタッフはさぞかし大変だろうなあ、と思わずにはいられない。撮影は一ヶ月以上続くそうで、これも現代の映画作りからすると常識はずれな豊かさである。もちろんそれが許されてしまうのは大林宣彦だからなのだが、求めない者には決して手に入らないということでもある。

 映画はWOWOW製作で秋以降に公開予定。脚本は少しだけ読ませてもらったが、かなりすごい映画になりそうな気がする。監督本人によれば「70歳にして原点に帰った新たな処女作」だそうだ。

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2008-05-08

ねらわれた学園 制服を襲う (1986)

監督:渡邊元嗣 出演:橋本杏子、田口あゆみ

 新宿国際名画座で渡邊元嗣の幻の傑作を上映中だというので見に行く。気がつくと、最近ピンク映画しか見とらんなあ。

「あれは二月の寒い夜、ちょうど14になったころでした……」と未来(橋本杏子)のナレーションではじまると、中学生の橋本杏子と優しい教師との 初体験場面。だが未来が絶頂に達するや、教師は悲鳴をあげて悶絶。そう、父親の復讐の道具とされていた未来は「三段締め名器養成ギプス」によって交わった 男のペニスをへし折る脅威のマンコの持ち主になっていたのだった……その麻宮未来が不良女子高「愛染学園」に転校してきたところから物語ははじまる。

 というわけで展開するのは南野陽子の『スケバン刑事』シリーズの完全パロディ。何がすごいって劇中の効果音はおろか主題歌まで同じだ(ノンクレ ジットのキルビル方式)。深作のバカ息子が作った奴なんかより、はるかにきちんと愛にあふれるオマージュになっている。未来が最後の決戦に向かうと、行く手にライバル だった不良少女が待っていて、真っ赤な唐傘を広げて相合い傘になるときには、アイドル映画と東映任侠映画が奇跡的な合体を果たすのだ。

 当時20歳だった橋本杏子の美少女ぶりに萌える。なお、m@stervisionが愛にあふれすぎたレビューを書いているので、詳しくはそっちを。
 
 その後またもサッカーバー・フィオーリに出かけてACL クルンタイバンク戦。ダニーロ二得点にはなぜか店内で笑みがこぼれる。ダニーロは人を幸せにするなあ。

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2008-05-06

OP映画祭り2008 第三日

174okura0023115  さすがにGW三日つぶして連日上野オークラに通っていると、いかがなものかという気がしないでもない。なんだかものすごいダメ人間になったような気がする。映画は9本全部見たけど、さすがに箸にも棒にもかからないような映画はなかったか(内2本は再見)。旧作では2002年の荒木太郎作品、新作では加藤組が一番良かった。

 本日の上映作品は 『悩殺占い 巨乳摩擦(濡れ巨乳なぶり)』(98 小川欽也) 、『妻失格 濡れたW不倫』(06 渡邊元嗣)、『不純な制服 悶えた太もも』(08 竹洞哲也)の三本。竹洞組の新作は冒頭の疾走感は買うものの、そのあとは思いつきをいかせぬまま失速という印象。だってヤクザの金を奪ったカップルが北の海に逃げるってさあ……二人を追いかける「生け捕り屋」の設定に新味は出ているものの、それだけではきつい。俳優は全員好演。渡邊元嗣監督の『妻失格 濡れたW不倫』については以前書いたとおり

 小川欣也の98年作品は『悩殺占い 巨乳摩擦』の新版。風間今日子のピンク・デビュー作なのかな? 映画は小川監督がときどき作ってしまう素っ頓 狂なファンタジーで、稗田オンまゆらがカザキョンを操る「この世の者ならぬ」タロット魔女(なんかタランチュラの化身か何からしい)を怪演している(唐沢俊一がそれに対抗する陰陽師)。ものすごい怪演 で、クライマックスは稗田オンまゆらの絶叫とカザキョンVS杉本まことの獣のようなSEXがカットバックするのだ。何をやりたいのかはわからないながら無駄にド迫力。

 舞台挨拶では御年73歳の小川欣也監督の話がおもしろすぎる。きちんと話を記録に残しておかないとなあ。

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2008-05-03

OP映画祭り2008 第一日

New02 上野オークラでOP映画まつり2008と題してGWの新作ショーケース一大イベント。本日は新作含む三本上映+女優三名も登場するイベントということで場内も超満員の入り。

 本日の上映作品は
変態奥様 びしょ濡れ肉襦袢』(2002 山崎邦紀)、『 性犯罪捜査 暴姦の魔手』(2008 関根和美)、『女復縁屋 美脚濡ればさみ』 (2008 加藤義一)の三本。山崎邦紀監督の2002年作品は俳句ピンク(!)。『触覚』という句会を主催する変態俳師が弟子の女性をくすぐり責めにかけたり、スパンキングしたりしては「尻腫れて 輪廻転生 スペルマッ」みたいな謎の俳句を詠むというコメディ。面白いのだが、落としどころを間違っている印象。

 ピンク大賞受賞第一作となる加藤義一の新作『女復縁屋~』は大いに楽しむ。映画としてはどうということはないただのピンク映画で、脚本ももうちょっと練って欲しいところではある。たとえ ば平沢里菜子の役をただの悪女ではなく、コミカルなキャラクターにしていればもっと映画に厚みが出ただろう。それでも主演の村上里沙がとても魅力的に撮られてい て、佳作といっていい出来だった。まったく女優としてのタイプは違うのだが、なぜか林由美香のことを思い出してしまった。そういう演出をしているのだろうか? 平沢里菜子は相変わらず素敵に可愛い。そう言えばピンク大賞のときはブリブリな格好をしていて、ちがう!この女の本性はこんなんじゃないん だ!と思いながらも萌え萌え。

 加藤義一、好調を持続。なお、このイベントは5/7(水)まで(舞台挨拶は5/4まで)続いておりますので、みなさんお誘い合わせの上是非。ぼくもできるだけ通うつもり。

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