世界三大麻雀漫画
岡山の古本屋をのぞいていたら、ブックオフ系の郊外古書店にサンケイコミックス版の『カラテ地獄変』(梶原一騎+中条健)が全巻揃いであるのを発見。実に定価\390以下の本はすべて\170というたいへんアバウトな値付けだったため、これは!と重たい荷物を抱えて帰ることに。この漫画、つまりは大山倍達の束縛から逃れたいとあがき、だが何度逃げようとも最後は恐ろしい父の元に戻っていく梶原一騎の物語としても読むことができる(というか、そうとしか読めない)。ダーク大山倍達とも言うべき大東徹源がおもしろすぎるのだが、中でも最高なのはこれ。
何者なのだ大東徹源。で、『カラテ地獄変』の隣を見たら、『新・麻雀伝説 風の雀吾』(みやぞえ郁雄+志村裕次)が上下巻揃いであるじゃないか! 以前下巻だけまんだらけで拾って、そのままになっていたものがついに揃った。知らない人のために説明すると、これは世界三大麻雀漫画のひとつとしてつとに有名な超能力麻雀漫画である。ちなみにあとのふたつは『バード 砂漠の勝負師』(青山広美)と『ノーマーク爆牌党』(片山まさゆき)。『アカギ』も『哭きの竜』も遠く及ばないトップ3(オレが決めた)。
『風の雀吾』は麻雀界の刷新を目指す夜叉連合と、彼らに父親を殺された復讐を誓う榊雀吾の麻雀対決漫画なのだが、夜叉連合の十二人の雀戦鬼たちが駆使する雀神技がすごすぎる。第三の雀神技「精霊陣」は、「まわりの木々や草花に潜む精霊があなたの手牌を教えてくれるのです」ってそれ通しなんじゃ……第七の雀神技「白魔陣」は精神能力で相手の目に映る手牌をすべて白に変えてしまう……もはや麻雀のテクニックでもなんでもない。雀戦鬼たちのリーダー、イケメンの無天児の使う「太陽陣」は太陽のエネルギーを自分のものに変える。無天児が太陽陣のエネルギーを最大にするために太陽を地球に引き寄せると、地上は灼熱地獄と化し、オーラスを待たずして雀吾は焼き殺される……ってそれ麻雀で勝ってないだろ!
こんな恐ろしい漫画のくせに、雀戦鬼たちが妙にすがすがしく、彼らの言葉が胸に響くところがまたいい。無天児の
考えてみろ、今の麻雀界に俺達若者が理想に燃える場があるというのか! ただ一時の快楽に溺れ、精神を磨滅し、二度と帰らぬ時間をただ流されるまま無意味に送っている、それが今の麻雀界の姿なのだ!
なる台詞に深く心を打たれつつ、無為な日々を過ごして精神を摩滅していた学生時代を思い出すのである。
| 固定リンク
| コメント (3)
| トラックバック (0)
最近のコメント