白衣いんらん日記 濡れたまま二度、三度 (1997)
監督:女池充 脚本:小林政広 ポレポレ東中野のR18 Love Cinema Chowcase vol.5にて。
なんという童貞ぶり(笑)。女池充のデビュー作だが、実に清々しいほどの童貞映画である。しみじみと思ったが、女池充って本来はまったく別の資質を 持った監督だったんじゃなかろうか。でも四天王世代の(というかサトウトシキの)強烈な抑圧によってなんか全然違う方に行ってしまったんだろう。この映画も なかなかいいところがあって、妙ちきりんな窓越しのダンスなんか、まさしく童貞的に泣ける名シーンである。あのまま童貞なラブロマンスで作ればなかなかの佳作になったんじゃないかと思うんだけど、なんかそこから本田菊次朗の話になっちゃって、サトウトシキの出来の悪いイミテーションみたいな……
なんとなくわかってきた。ピンクの童貞映画時代はどうやら「七福神」世代からはじまるらしい。だがこの世代には四天王の抑圧が強かったから、どうしても童貞映画は作れなかった。抑圧がいい方に向いたのがいまおかしんじで、変に働いてしまった代表格が女池充なのではないか。そのあとの世代ののびのびとナイーブな青春童貞ピンクを見ていると、強くそう思わずにはいられない。
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