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2008-03-24

ドリラー・キラー (1979)

Drillerk31x1 監督、編集、主演:アベル・フェラーラ 出演:トニー・コカコーラ&ルースター

 吉祥寺バウスシアターの爆音オールナイト〈爆音聴力破壊〉に出かける。中原昌也セレクションで、『要塞警察』、『13回の新月のある年に』、『ゾンビ(アルジェント版)』の四本立て。だが、爆音上映にもっともふさわしいのは「最大音量で見るように」の注意書がついた『ドリラー・キラー』だろう。

 ビデオが出ればビデオで、DVDが出ればDVDで、これまでもあらゆるメディアで見てきた『ドリラー・キラー』だが、こんな大画面で見るのははじめて。感動した! 今日のイベントはほぼこれに尽きるというくらい素晴らしかった。ドリルを持った伊達男フェラーラが格好良すぎる。赤パンツでドリルを構えてポーズをつけるところが最高にお洒落。そしてドリルをぶちこむ前に、必ずきゅんきゅんと軽くまわして動作をたしかめ、タイミングをはかるところがまた最高。

 ホームレスだらけのニューヨークの風景はおそらく実景の隠し撮りで、そのドキュメンタリー的な迫力に主人公のささくれだった心情(電話代が払えないとか……!)がかぶってくるあたりに異様な迫力がある。売れないアーティストだったフェラーラの鬱屈がぶちまけられる破壊衝動に興奮するのは言うまでもないのだが、同時にどのシーンにも妙なユーモアがあったり(ホームレスとだらだらくっちゃべってるところとか)、あるいは巧みな日常描写(主人公とGFのまったく無意味な会話とか)も忘れがたい。初期衝動とユーモラスな演技が同居してるからこその傑作なのだと再確認した。

 なお、昼夜分かたず下手くそな演奏をつづけて、フェラーラがホームレスをドリる原因を作る二階のパンク・バンドを演じているのはトニー・コカコーラ&ルースターという謎のバンドなのだが、この日は山崎ナオコーラも見に来ていた。

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