マリッジリング (2007)
監督 七里圭 脚本 七里圭、西田直子 公式サイト
これ、試写に行きそびれてしまったらビデオが送られてきたので、ラッキー!とビデオを見はじめたのだが、30秒くらい見て「これはヤバイ!」 と思ってやめた。これは劇場で見ないとまずいだろう。それくらい繊細な撮影をしていたからである。そういうわけなので公約通りちゃんと劇場に行って見まし た。シネパトス銀座。
撮影は実に素晴らしい。主役の心情をモビールをはじめとする小道具で表現する演出も悪くない。全体にたいへん丁寧に撮られてはいるし、クリシェを避けようとする意志は強く感じられて好ましい のだが……ピンク映画なら傑作と言っていいだろう。ただ、このレベルで突出するものがあるかというと微妙なところである。もちろん『愛の流刑地』なんかよりはるかに上質な映画であるのはまちがいないが、じゃあこういう映画によってすぐにステップアップしていけるのかといえば、そうなっていないのが今の日本映画界。まあ今後ともめげずにこの丁寧な仕事を続けていけば、いつか報われる日が来る。あとは成瀬とかしっかり勉強してください。
『眠り姫』を直前に見ていたの で、あれをこう使うのか……とか見えていろいろ面白かった。
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コメント
このケースで成瀬というと、『お国と五平』とかですか?
たしかアレは谷崎(潤一郎)が原作でしたか。
投稿: 冬の蠅 | 2007-12-14 18:28