『ファーストフード・ネイション』 (2006)
『ファーストフードが世界を食いつくす』の映画化。脚本も原作者が書いている。 公式サイト
『ダーウィンの悪夢』のDVDに収録されているフーベルト・ザウパーのインタビューで「別にナイルパーチが悪いわけじゃない。これをダイヤモンド に替えても、ウランに替えても、同じ話は成立するだろう」と語っている。舞台をアメリカに置き換えてもやはり成立するわけだ。つまり、ここではグレッグ・ キニア演じるマーケティング部長が主人公となって“ミッキー・バーガー”のパテに牛糞が混入している疑惑を追及するわけだけど、それは『ダーウィン』にお ける武器密輸疑惑と同じでたんなるマクガフィンである。大事なのは南北格差から生まれる搾取のシステムというわけだ。
でも、もちろんリンクレイターは聡明であるから、それが我々自身が望んで生みだしている世界だということも承知している。そこが問題で、ドキュメ ンタリーならそのまま結論を投げてしまってもいいのだが、劇映画だとなんらかのカタルシスをつけないわけにはいかない。そこらへんが難しいところではあ る。『いのちの食べかた』との比較も含め、いろいろ考えさせられた。
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