おれについてこい!(1965)
シネマヴェーラ渋谷にて鑑賞。ニチボー貝塚の女子バレーボールチーム、すなわち「東洋の魔女」を率いた「鬼の大松」の自伝に基 づく伝記映画である。東京オリンピック女子バレーボール決勝戦、宿敵ソ連との決戦を前にしたバレーボールチームのメンバーが、ここにいたるまでの日々を回想す る…という構成である。大松監督役はハナ肇、大松から「馬」呼ばわりされる主将の河西に白川由美。
何が素晴らしいって女優たちがみんなバレーボールやってるところである。猛特訓の場面、今だったらきっとカット割ってごまかしてしまうんだろうが、ひたすらボールを左右に投げつづけるハナ肇の背中から左右にレシーブ練習を続ける選手の姿をワンカットでとらえるカメラ。白川由美は本当に練習し、本当に回転レシーブしているのだ。ど んなに細かくカットを割ろうともこの感動は得られない。いったいどのぐらい練習したのかしらないが、今の映画にはない贅沢とはこのこと だ。映画はまちがいなく退化している。特訓さえあれば、試合のシーンなんかなくても映画は十分成立するのだ。
同時にこんな気の狂ったスパルタ特訓ができなくなったのだから、日本社会はまちがいなく進歩している。なんせタコ部屋みたいなところに閉じ込めて、一年360日、毎日12時過ぎまで練習させるのだ。この練習に耐えられるんなら世界一にもなるよ!
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