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2007-09-26

レッド

286657933_191 レッド 1 山本直樹 講談社

 連合赤軍ものはこれまでいろんな人が試みているがほとんど成功した作品はないのだけど--これまで面白かったのはFAプロの林由美香の奴くらいだったな--これは傑作なのではないか。

 面倒くさい革命理論の話を全部すっとばして青春群像にしてるのがひとつ。匿名性のために全員本名ではなく仮名を使っている(たぶん組織内のコードネームとかだよな?)のも大きな力になっている。
 そして最大のポイントは数字。連赤事件の結末はみんな知っているわけで、そこまでどう運ぶかにみんな腐心して(そしてたいがい失敗する)いるわけである。そこに出してきたのが数字と「あと~日」というカウントダウン。避けられない結末に向かって日を刻んでいくカウントダウン形式にして、サスペンスを引っ張るドラマにしたわけ。

 ヒッチコックが言うところのサスペンスとサプライズの違いという奴だ。連合赤軍をサスペンスで語るというのは秀逸なアイデアだと思う。しかし、このペースだといつ完結するんだ?

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コメント

当時の状況をリアルタイムに知らない人間が読んでも当時の様子が伝わってくる山本直樹の表現力はさすがですね。
登場人物の名前は山の名前(赤城山、六甲山など)からとっているようですね。理由は分かりませんが。

投稿: peng | 2007-09-26 21:43

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