俺は、君のためにこそ死ににゆく (2007)
監督新城卓 脚本&製作総指揮石原慎太郎大元帥閣下 公式サイト
新城卓ってイマヘイの弟子なのね。イマヘイの門下生が慎太郎の指揮下でこんなキチガイ映画を作るっていうんだから世も末だな。
冒頭、伊武雅刀演じるところの大西中将が特攻作戦の意義を説明する。
「日本は負ける。だが日本の国体を守るためにはただ負けるわけにはいかない。日本が白人の手から東南アジアを解放するために戦ったという信念を示すためには、国家の名誉のために若い者に死んでもらわなければならない!」
これ意味わかる? いくら考えても意味がわからない。負けるってわかってるんだったらできるだけ損耗を少なくして負ければいいじゃないか。
だいたい特攻作戦が無意味だってことは最初からみんな知ってるわけ。効き目があったのは最初だけで、新兵をボロ飛行機に乗せて飛ばすようになったら、特攻はお
ろかひたすらグラマンに叩きおとされるだけになる。飛行隊の指揮官は
「あいつらは沖縄までも行きつけない。ただの犬死にです」
って抗議するんだけど
「ともかく、一人でも多く散ってもらうことが肝心だ」
慎太郎的にも完全に犬死にだっていう描写なわけ。でも特攻隊員は我先に死ぬ順番を争って
「俺が先に行く!」
と飛行機の取り合いをするは、女子挺身隊員たちは歓び組のような満面の笑顔を顔に張り付けて
「お国のために死んできてください!」
って送り出す。
完璧に狂ってる。ていうか完全にキチガイの国っていう描写だよこれ。北朝鮮にだって負けてないぞ。死んだら神になれるって迷信を信じてどんどん自殺していくカルト国家。これこそが特攻隊員の名誉を回復すると考えてる慎太郎閣下が書いてるんだから、すべて本当のことなんですよね? ああ、こんな国に生まれないでよかった。
岸恵子が「今、世界では自爆テロの走りが日本の特攻であると混同する風潮がありますが、これは哀しいことです」と言ってるんだけど、この映画を見るかぎりどう見ても宗教テロです。本当に(ry)
なお、CGはなかなか良くて、戦闘シーン(CGとミニチュアの組み合わせ)は迫力あった。『男たちのYAMATO』よりもいいんじゃないか?
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コメント
非日常的な戦争、それも国が滅びるかもしれないという大戦争で、負けそうだから白旗揚げて、「ハイ、降参」とはいかないでしょう。(特に昔の日本人は)テレビゲームと勘違いしてはいけません。当時白人国家に敗北するということは、今でこそ「国際世論の目があるから無茶はできない・・・・」などとお考えではなかろうか?アフリカの黒人や、アメリカのインディアン、オーストラリアのアボリジニーらの辿った運命をご存知だろうか?
「今の平和な感覚」で「当時の戦争」を時代背景も無視しながら評価すれば到底理解に苦しむだろう。
昭和19年10月25日、関行男大尉の率いる神風特別攻撃隊「敷島隊」の5機は、ルソン島西部のマパラカット飛行場から出撃し、レイテ湾のアメリカ艦隊に突入していったのである。この特攻攻撃を皮切りに、終戦までに陸海軍合わせて3375機の特攻機が出撃し、4279名の命が散った。もっとも、特攻攻撃を受けて沈没・損傷した連合軍艦艇は350余隻を数え、連合軍将兵を震えあがらせた。 しかし、戦中「軍神」と称えられ持てはやされた神風特攻隊のパイロットは戦後「犬死」、特攻に失敗して生き残った者たちは「特攻崩れ」と呼ばれ蔑まれたという。
一部の特攻隊員たちはすでに、自分の死が戦後の日本の講和条約に有利に働くことさえ予見していました。
特攻隊の猛烈な抵抗があったから、日本はドイツのように、国を「分割」されることもなく、「有条件降伏」で戦争終結できたのではないでしょうか?都合のいいとこだけ黙殺してはいけません。
まぁ、そんな危険分子は放っておけないということで、戦後アメリカは日本のマスコミや教育を通じて日本国民に対して徹底的な洗脳プログラムを慣行していきますが。お陰で、自国のことを存分に非難して国力を低下させてくれる自虐史観というものの誕生です。(今の40代から60代がまさに、ソレ)
自爆テロと、カミカゼ特攻隊との違いも分らない大人は子供に何を教えられるのでしょうか?
「戦争はダメだよ?」「平和が一番!」
「負けそうになればすぐ白旗あげなさい」
「また、すぐに平和が戻ってくるよ?」
嗚呼・・・・・・。
投稿: しんくん | 2007-06-09 18:07
どちらの言う事もわかる。というより、ここの主は
この国に産まれなくてよかったって言ってるが‥日本人ではないの?
投稿: まぁ | 2007-06-13 05:00
戦後の日本と戦前の日本は、ある意味、別の国だろうよ。
増してこの映画の中の日本は…。
投稿: 雲古 | 2007-06-13 11:27